eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

2018-11-20から1日間の記事一覧

しゃいに兄弟の砂時計 15

三月~浅春 「まずは最初の出品者ジョンヒョン君からのお品はこちら!!」 ゴムボール付きの孫の手を持つキーがオークショニアの立場らしく一枚のダンボールを掲げた 「ジョンヒョンとにらめっこしましょあっぷっぷ権!! ヒューーー!! さあ、初っ端からヘ…

しゃいに兄弟の砂時計 14

三月~浅春 風呂場からの賑やかな笑い声を聞きながら三人は最後の準備の仕上げに入った 「オニュヒョンのお出ましでーす」 テミンの前触れで風呂上がりでピンク色になったオニュが現れた 「ヒョン!お疲れ様です!こちらへどうぞ!」 「ヒョン!風呂上がりの…

しゃいに兄弟の砂時計 13

三月~浅春 「あーー、やばい金がない…」 「俺もない」 「俺はある、だけど使わない」 「そういう言い方するなら俺だってそうなんですけど」 「そうだぞ、あるにはあるけど使えないんだから、無いのと一緒だ」 「……あれ、するか久々に」 「あれ?えーー、あ…

しゃいに兄弟の砂時計 12

三月~浅春 ジョンヒョンはガタン、と体に受ける衝撃でハッと我に返った 降りるべき駅に着いており慌ててドアから滑り出た 胸ポケットからメモ帳を取り出しながら人波の邪魔にならないベンチへ移動し今しがた頭に浮かんだ情景を急いで紙に書き写した 時間が…

しゃいに兄弟の砂時計 11

三月~浅春 「お集まりの皆様お待たせ致しました! 商店街feat.八百屋クマハチ第一回 みんなで笑おうビンゴ大会~早春の陣~ 略して、みん笑早春の陣を始めさせていただきます!!」 顔面緑色で白いマントを羽織り頭から角が突き出た男がマイクを握り話し出…

しゃいに兄弟の砂時計 10

二月~猫柳 テミンがバイトを始めて約、一ヶ月 「らっしゃいませーー!」 「キーちゃん、こんにちは今日はおススメあるかしら?」 「サチコさん、いらっしゃいませ!今日はキャベツがおススメです! 大将が目利きしたキャベツですから自信持っておススメしま…

しゃいに兄弟の砂時計 9

二月~残雪 翌朝、テミンが学校に行く時間に起きたキーは慌てて居間に駆け込んだ 「ごめん!!ねぼ…」 「すみませんでした!!!」 テミンが頭を下げ大声で謝罪してきた 「俺が馬鹿でした紹介してくれたキーヒョンの名誉挽回をさせて下さい! チャンスをもう…

しゃいに兄弟の砂時計 8

二月~残雪 「ただいま」 「ただいま…」 「おーー!お帰り、どうだった?勤労体験、三日目は?」 「どーもこーもないよあれじゃ、どこでも働けないね心配した通り」 余り物の野菜をもらってきたキーは手早く、下ごしらえに入りながら答えた 「だって!俺、キ…

しゃいに兄弟の砂時計 7

二月~残雪 「へい!らっしゃい!らっしゃああぁぁい!!」 賑やかな商店街に一際、耳に届く明るい声が響き渡っていた 「あらあーキーちゃん、久しぶり! 最近、見かけないから寂しかったのよ~」 「いらっしゃいませ! また、ちょくちょく働かせてもらいま…

しゃいに兄弟の砂時計 6

一月~初冬 「じゃん」 『低』 「「「「…………」」」」 「これってさ…」 「去年繋がり⁈」 「えーー、俺は!テミンは!高く飛びます!今、そう思えます!そのために力を貯める期間の低!これにしました」 「「「「ふーーーん」」」」 「俺、高校辞めたいと思っ…

しゃいに兄弟の砂時計 5

一月~初冬 「はい!」 『彩』 キーの書初めは彩(いろどり)だった 「あの~、僕は僕と関わる人にたくさんの彩をあげたいと思ってる それは、ダンスで得られる芸術とも言える時間だったり見て楽しい、着て楽しい洋服だったり有意義な情報交換や美味しい!って…

しゃいに兄弟の砂時計 4

一月~初冬 「よし!じゃ、次行くかジョンヒョン君、見せて」 「俺のはね…オニュの後でコレってなんか恥ずかしいな」 『夢』 「ドンピシャ」 「黙りんしゃい、テミン君」 「…夢を忘れずに夢と生きたい、そんな気持ちを込めました…」 「ヒューヒュー」 「テミ…

しゃいに兄弟の砂時計 3

一月~初冬 「今、ジョンヒョンは通勤にかなり時間をかけて仕事場まで行ってる 経営方針と自分の理想との隔たりも大きいんじゃないかと前から感じてた それに、本当にやりたい事もジョンヒョンにはあるよな」 ジョンヒョンはぎゅっと拳を握った 昔から読書が…

しゃいに兄弟の砂時計 2

一月~初冬 「じゃあ、今年も年齢順な俺から」 オニュが掲げた半紙には 『貯金』 「オニュヒョン、その書初め何年目?」 「見飽きた」 「そうじゃないかと思ってた」 「コタツが買えないわけだよ」 「オニュヒョンには夢があるんだから!」 「そう、俺には夢…

しゃいに兄弟の砂時計

一月~初冬 「それでは、恒例の書初め大会をこれより執り行う 各自、胸に浮かんだ言葉をインスピレーションのまま筆に載せる事 その言葉が今年一年君たちのバディとなる言葉になる えーー、それでは!始め!!」 オニュの演説を背中にしゃいに兄弟は筆を取り…

天泣 24

「行ってらっしゃい」 「キーさん、お昼の食事は、」 「分かってる、冷蔵庫」 「はい、それから、もし」 「分かってる、雨が降ったら洗濯物ね ほら、早く行きな友達が待ってるよ」 「...はいキーさん、ありがとう」 ふわりとスカートを翻すハニの腕が取られ…

天泣 23

「だから僕は愛が欲しかった」 「キーさん...」 「君に会って...君が欲しくてたまらなかった 手に入れても君は僕を心から愛していないのが分かっていたから辛かったよ」 組んだ両手をお腹に乗せキーは空を見て続けた 「分かっていたんだ君が僕に恋をしていな…

天泣 22

着替えを持ち病室を訪れるとキーはベッドにもたれ掛かり空を見ていた 「ハニ」 前髪を下ろしふんわり笑うキーは清浄そのもので 何が現実なのかハニは目眩を感じた 「ハニ?大丈夫?」 手を伸ばすキーを見てゆっくりと近づく 「ハニ」 キーが体に触れた時恐怖…

天泣 21

すっきりと整理されたキーらしい部屋だった ほんのりと香るキーの香水を感じながら誰もいない部屋を足を忍ばせてデスクに近寄った 椅子を引き出し腰をかける パソコンを立ち上げる間に引き出しを開けてみる 所定の位置が決まっていると思われる文房具等をな…

天泣 20

「キーさん、入院したんだって?」 「...なんで知ってるの?」 「株主総会に行けなくなったって連絡があったんだもの」 「株主総会?」 何も知らないハニに母はひどく驚き父親の会社が倒産寸前だった時にキーが出資を行い持ちなおした事を教えた 「キーさん…

天泣 19

救急車で搬送されたキーは怪我の原因を頑として事故だと言い通した 一緒に付き添ったハニは救急隊員に言われ自分の手のひらに走るナイフの切り傷に気がついた 処置が終わり一人マンションに帰ったハニは室内を見て唐突に嘔吐感に襲われた 洗面所にもたれ掛か…

天泣 18

「ハニ〜...」 「いやっ!」 キーはナイフの刃先を上に向け立っていた 「罰は代わりに僕が受けるよ」 「...え?」 「君の代わりに、、僕が罰を受けるんだ」 虚ろに笑うキーは完全に正常から異常へとラインを踏み越えていた 「なに?罰って、何?」 「誓約書…

天泣 17

鞭で打たれながらキーに貫かれたハニの体には赤い跡がそこかしこに散っていた 「やめて...もう、やめて」 ハニは這いながらキーから離れた 「わかりませんか?どんなに酷いことをしているか...わかりませんか?」 涙で霞む目をキーに向け「キーさんは私を愛…

天泣 16

家の玄関に着いた時ハニの胸は激しく鼓動を打っていた カチャリと施錠の音が不吉に響く キーは優しくハニの手を引きリビングへと誘う ソファに座らせハニに誓約書を見せた 「ハニ、残念だよ 君は誓約を破った」 「キーさん」 「嘘はつかない」 「本当です、…

天泣 15

キーが選んだレストランで予約された席に案内される キーが通る後にチラチラとキーに目を向ける人が幾人もいる事にハニは気がついた スーツを着て歩くキーは美しく品の良さ、育ちの良さ、堂々とした社会的立場を醸し出し人目を引いた ハニがその事を言うと「…

天泣 14

それから、しばらくは平穏に日々は過ぎた キーは快活で優しくハニに尽くした ハニは制限された生活にも慣れキーの整える巣の中でひっそり暮らしていた 二人で朝食を食べている時にキーが話かけてきた 「ハニ 今日の夕飯は外で食べようか」 「え?」 「今日は…

天泣 13

キーは、一線を超え続けた キーという人間が元からそういう性質なのか 自分がそうさせてしまうのか ハニにはわからなかった 「...誓約書?」 テーブルに置かれた一枚の紙を見てハニは目を丸くした 「そう、書いて」 キーは新聞を取って、というような調子で…

天泣 12

皿が次々と割られてゆきハニの手作りの料理が床や壁にぶちまけられた 口を覆うハニは何も言えずそれを見ていた 「嘘をつくな!!!」 顔を歪めて家中に響くような絶叫をあげるキーは何かを激しく求めているようにも見え自分の受けている仕打ちよりキーの悲壮…

天泣 11

「お母さん、だけか」 「はい」 嘘だった ベランダでぼんやり下を見ている時に電話が鳴り幼馴染みがお土産を持ってきているから取りに来るように、と実家から連絡が入ったのだった キーがいないから行けないとハニは言いたくなかった カーテン越しに見える空…

天泣 10

キッチンで食材を切っているとキーが帰宅した 急いで手を洗い迎えに走る おかえりなさい、と呼びかけるハニにただいま、と笑うキーはいつもと同じように見えた キーがシャワーを浴びる間に急いで夕食を作り上げ食卓に並べた バスローブ姿のキーが扉を開け入…