eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一月~初冬

 

 

 

 

 

 

 

 


「それでは、恒例の書初め大会を
これより執り行う


各自、胸に浮かんだ言葉を
インスピレーションのまま
筆に載せる事


その言葉が今年一年
君たちのバディとなる言葉になる


えーー、それでは!
始め!!」

 

 

 


オニュの演説を背中に
しゃいに兄弟は筆を取り始めた

 

 

 


「ねえーー、俺も太い筆がいい!
こんな筆じゃ書初めな気がしないもん


オニュヒョン、次貸して」


「ん、待ってな」

 


「さって、今年は何にしようかな
さあ!降りて来い
俺の言魂バディよ!!」

 


「……瞑想……
……無我の境地でござる……」

 


「はいよ、テミン
お待たせ」


「ありがと!オニュヒョン」


「テミン、気をつけろよ
お前、去年も一昨年も墨汁
こぼしてんだからな!
キャップは閉めたのか?
ミノ!見てやって」

 


「もー、うるさい
わかってるよ~
キャップは閉めたよ
いい?
じゃ、黙っててキーヒョン


集中出来ないでしょ
でしょ?

 

 

 


出来た!!」

 

 

 

 


バンっとテーブルに両手を着き
体重を乗せてテミンは立ち上がった


テーブルは書初めに合わせて
納戸から出してきた
折り畳みの簡素な物だった

 


テミンの両手の圧に負けたテーブルは
クシャリと潰れ
墨入れが空を飛び
墨を撒き散らしながら一回転した

 

 


うわああ、やら、
ぎゃああ、やら
叫びながらみんなが逃げ惑ったが
墨入れが空を飛ぶという
予想を上回る現実に
みな、初動が遅れ墨を被らない者は
誰もいなかった

 


半紙を手に立ち尽くすテミンが
笑い出した

 


「あはははは
ほくろだらけの人みたい


あはははははははは」

 


色白なしゃいに兄弟の顔に
なんとも絶妙な配置で
墨が点々と飛び
テミンの言う通り
お互いの顔を見たら
笑わずにはいられなかった

 


笑いすぎて出た涙を拭ったテミンの
目の周りが黒く縁取られ
ツボにハマったしゃいに兄弟は
腹を抱えて笑い続けた

 


誰かが落ち着き出すと
誰かが

 


「墨入れが空を飛んだ」


「今年は墨汁倒しじゃない所から
きたな」

 

 


などと言い出すので
なかなか、波が引かなかった

 


脇腹をさすりながら
ハアハアと
「だめ、これ以上笑ったら
死んじゃう
オニュヒョン、書初めのお披露目タイムにして」
と、ジョンヒョンが体を折りながら言った

 

 


「ん、
じゃあ、、
やるか」