待ち合わせ 13
明け方に部屋に戻ったオニュは
テミンの寝顔を見つめ
柔らかな髪をなで
布団に潜り込んだ
寝返りをうつテミンを引き寄せ
ぎゅうっと抱きしめた
「ヒョン……おかえり…」
目が開ききらずもごもご言うテミンが
可愛くてじっと見つめていた
「…その顔 大好き オニュヒョン」
「どの顔?」
「優しい顔!」
「テミナァ~
ヒョンもテミナのその顔が大好きだよぅ~」
「だろうねえぇぇ知ってますよお~」
「テ~ミナァァ~」
「ヒョン、今日なんか嬉しそう」
「テミナ!!!
実はな!!仕事が決まったんだ!!」
「えっ!本当?
やったーー!ヒョンおめでとーー!」
「ありがとう、テミン!
たくさん働いて頑張るからな!」
「うん!
ねえ、ヒョン
あれ、やろうよ!」
「ん~?あれ?」
「あれだよヒョン!!」
そう言うとテミンは布団から飛び出し
ゆっくりとスローモーションで
踊り出した
「あれか!!よし!
ピアノはないーー
だけど、歌は歌える!」
オニュは、2人で初めて笑いあった
ピアノの早弾きで弾いた曲を
真面目にゆっくりゆっくり歌い出した
カエルが鳴くような響く声に
テミンは笑いながらもペースに合わせて
踊り続ける
やがて、ペースは速くなり
テミンの動きも激しくなっていった
笑いながらも時折見せる
切り裂くような美しさに
オニュは気づいていた