eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

待ち合わせ 4

 

 

 

 

 

 

 

2人の暮らしは、転がるように
落ちていった
国中が貧困に喘ぎ
持つ者と持たざる者が二分化していた

そして、2人は持たざる者だった

 

 

 

 

 

ある日、オニュが部屋に帰ると
テミンが布団に潜り出て来なかった

「テミナ、どうした、具合が悪いのか?
顔、見せてごらん」

「…ヒョン…僕
ごめんね ヒョン…」


「テミナァ~、どうしたんだよ
気持ち悪い?頭が痛い?
おばさんに氷もらってこようか?
そうしよう、待ってろよ!」

「違うよ!
待って、ヒョン」

布団から出てきたテミンは
泣いていたらしく目が腫れていた


「あのね、これ…
学校で…友達が破いちゃったんだ
でも、わざとじゃないんだって…
ごめんなって言ったから

だから、、、
だから、僕
許してあげたの

だけど、オニュヒョンが初めてくれた
プレゼントだったから
僕は…」

「テミン…」

「口を開いたら悪い言葉を言いそうだったから、許してあげたの
わざとじゃないって言ったから…
ごめんって言ったから…

だけど、本当はすごく嫌だった
嫌だった!

ごめんなさい!
ごめんなさい、オニュヒョン

僕が学校に持って行かなかったら
そしたら」
テミンは抑えていた気持ちが溢れ出し
それ以上話せなかった

 


それはオニュが初めてテミンにあげた
パイナップルの形をしたポシェットだった

 


旅のお土産に
テミンを笑わせようと思い買って帰ったのだがオニュの思いと裏腹に
テミンはすっかり気に入ってしまい
どこに行くにも持ち歩いていたのだった

 

そのポシェットが引き裂かれていた
ハサミで切り込んだのだろうと思える
断面で、これがわざとでは無いなんて
あり得ないとオニュは一目見て
思った

 


テミンは、過失をした子供を責めずに
自分を責め
ごめんなさい ごめんなさい
と泣いていた


「もう、いい
わかったから

わかったよ テミン
それに、自分の大事な物を傷つけられても
わざとじゃないと言った相手を受け入れて許してあげたテミンを
誇りに思うよ

お前は立派な男として振る舞った

自慢の弟だ」

テミンを抱き寄せ慰めながらも
自分の中に湧き上がる
凶暴な思いを落ち着かない気持ちで感じていた

 

「おばさんに針と糸を借りてくるよ
だーいじょーぶ!
これなら修復出来る!
ヒョンに任せとけ!」

オニュはとびきりの笑顔でテミンに
笑いかけ納屋を出た


暗がりの中をおばさんの家の灯りを
目印に歩きながら
オニュは自分の中に湧き上がってくる
どす黒い気持ちに目を向けた

 

どうしたんだ、俺は

 

 

 

 

俺は、こんな事を考える人間じゃないはずだ

 

 

 

 


そう思いながら歩いていた

 

 

 

 

 

 

殺してやる
殺してやる
コロシテヤル