eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計〜番外編

 

 

 

 

 

 

しゃいに兄弟の砂時計〜番外編〜五人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「・・・はよ」


「おはよ」

 

 


朝日が登ってから数時間程経った
明るいリビングには
キー、ミノ、ジョンヒョンがおり
そこに、ギシギシと足音をたて
寝起きで目が開ききらないオニュが入ってきた

 

 


「ヒョン、今日休み?」


「うん」


「珍しいね、久しぶりの休みじゃない?」


「うん」


「一緒に出かける?」


「やだ」


「デブの出不精はデブになるよ」


「人口密度高いんだけど〜」


「誰か出かけろ」

 

 

 

 


んあ〜と言いながら
タツに潜り込み目を閉じようとした
オニュが首を上げ一点を見つめた

 

 


「なに?」


「あれ」

 

 

 


オニュがコタツから腕を出し指差した先には
コロリとした、ボディの害虫がいた

 

 

 


「ぎ、ぎゃあぁぁっっ!」

 

 


キーの叫びに触発されたかのように
虫はカササッと動きだし
オニュの方へと向かってきた

 

 

 


「ヒッヒョン!」

 

 


しかし、オニュはコタツから動かず
頭を巡らし虫の行く末を見守った


虫はオニュの頭上を迂回し
暖かな陽の差す床の上で止まりじっとしている

 

 


「ヒョン!見てないで!
なんとかしてよ!」

 

 


ヘラっと笑うオニュを他所に
三人は駆除スプレーを探してキョロキョロしていた

 

 


「なんでこんな季節にいるんだっ」


「ひなたぼっこだろ」


「うちの床でひなたぼっことは図々しいやつ」


「うるさい!アレ!アレ持って来い!ミノ!」


「命令すんなよ、なんで威張ってんだよ〜」


「うるさいうるさい!早くしろ!」


「ッチ・・・ほらよ、お前がやれ」


「これ、苦手なんだよ〜」


「「行け!キー!」」

 

 


キーは目を細め腕を限界まで伸ばして
虫に近づく

 

 


「・・・なんか、見た光景だよな」


「い、行くぞっ」

 

 


プシャ、と微妙な勢いで噴射された薬剤は
ふんわりと虫に降りかかり
驚いた虫は、カササッと棚の隙間へと走り込む

 

 

 


「あ〜あ、結果もデジャブ」


「うるさい!自分でやらないくせに文句言うなぁ!」

 


キーは体を狂ったようにブルンブルンと揺らし
地団駄を踏んだ

 

 


「もう!!全くうちのやつらは!」

 

 

 


スプレーを置き、床に脱ぎ捨てられている
服を拾い上げ
「誰よ、なんで服、床に置くわけ?何度言ったらわかるんだ?」

 

 


プンプンしながらジョンヒョン、ミノに向い
喚いていると
「キッ、キー!!」

 

 


ジョンヒョンが目をまん丸にし
キーの背後を指差した

 

 

 


「ッぎゃああああああぁぁぁ!」

 

 

 

 


キーは服を床に叩きつけオニュを飛び越え
ジョンヒョンとミノの所へと両腕を伸ばして
ロングジャンプをした

 

 

 


「どこ!どこ!?」
キーがミノに抱きとめられ
振り返るとオニュがスプレーを
ピシュー、と噴射しており 
虫は足を上にしてピクピクしていた

 

 

 


「「「・・・・・・・・・」」」

 

 

 

 


まだ、弱々しく動く虫を新聞紙を使い
庭へとはたき落とす

 

 

 


窓を閉めると
そのままオニュはコタツへ潜り
顎まで布団を引き寄せた

 

 

 

 


「お前、騒ぎすぎなんだよ」
ミノに言われキーは
口を尖らせる

 


「うっ」

 


「すげージャンプだったぞ」

 


「服、叩きつけてさ、こんなふうに」

 


「ぎゃああああって、あの顔〜」

 

 

 


大笑いする二人に
キー自身も、笑ってしまう

 


「え、え、そんなに?」

 


ミノがキーの真似をし
さらにジョンヒョンが真似をし
キー自身も自分の真似をし
みんなが笑っている所に
不機嫌そうなテミンが降りてきた

 

 

 


「なんで起こしてくんないの」

 


「起こしたよ」

 


「起きてない」

 


「テミン、二回も大声で呼んだぞ」

 


「でも、起きてないんだから起こしてないじゃん」

 


「何、言ってんだ、こいつは」

 


「起こしてよ〜」

 


「テミン、目ェ覚ませ!」

 


「出かけるぞ」

 


「え、どこ?」

 


「オニュヒョンが奢ってくれるって」

 


「は?」

 


「ほら!ヒョン着替えてよ」

 


「あああ!テミン、そこ踏むな!
薬がかかってる」

 


「え、なになに、虫?」

 


「お前、いなくて良かったなー」

 


「いや、あのキーはぜひ見ておくべきだったな」

 


「オニュヒョンが退治してくれたから
大丈夫だよ」


「やるときゃ、やる男なんだよ、ヒョンは」

 


「やるまでが長いだけ」

 


「みんなで歩いて商店街まで行こうぜ」

 


「あ、今日ラーメン餃子安い日だよ」

 


「え〜、ジョン君ラーメン食べたくないな」

 


「なに、それ」

 


「っか、かわいい」

 


「ジョンくん、らあめん食べたいですぅ」
テミンが目をみかんの房のように丸め
笑いながら真似をする

 


「・・・・・・・・・」


「ジョンくん、暑いのきらい〜」
ミノが目をキラキラさせて真似をする

 


「・・・・・・・・・」

 

 


「ジョン君、さあ、行きましょうねぇ」
棒読みで戸締りを確認しながら
キーが言う

 

 

 


「ダサ!」

 

 


オニュが着替えてリビングに戻ると
キーが叫んだ

 

 


「も〜ヒョン〜、何、その組み合わせ」


「清潔感あるじゃん」


「いや、なんか、どっから出して来たの
そのパンツ」

 

 


わちゃわちゃと玄関に向い
順番に靴を履く

 

 


「ヒョン、その白い運動靴で行くの!」


「うん」


「キー、商店街行くだけなんだから」


「だって、なんか丈も変だしクリーニングの人みたい」

 


「ねぇ、お隣のワンコも散歩に連れて行っていいかおばさんに聞いてみようよ」

 


「きぃくんね」

 

 

 


がやがやと外に出ると 
垣根越しにミノとオニュがお隣を覗き込む  

 


いや、ちょっと、、、と
引き止めるキーの声を背後に
ジョンヒョンとテミンも背伸びをして
覗き込む

 


きぃくんは前足に乗せていた顎を
ハッと上げ
垣根を見る

 

 


5人の覗き込む顔を見ると
パッと立ち上がり両足を踏ん張り
わん!わんわん!と吠えた


きぃくんのくるりと巻き上がった尻尾は
嬉しそうに左右に振られていた

 

 

 

 

 

 

 


おしまい