eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 43

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九月~初秋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「すっげえ人だな」

 

 

 


オニュ、ミノ、ジョンヒョンが
連れ立って訪れたのは
テミンが通う高校だった

 

 


正門を入ってすぐに
焼き鳥、たこ焼き、
フランクフルトの
焼き物系屋台が並び
反対側には
アイスクリームやタピオカ
かき氷の屋台が並んでいた

 

 


並んで歩く事も出来ない程の
賑わいの中
受付でパンフレットをもらい
テミンの教室を探した

 


「何々…
テミナの教室は4階か


シュークリームハウス?
ふーん」

 

 


「行ってみるか」

 

 


女子高生達は頭に花輪やリボンを
飾り群れて歩き


男の子達はクラスの
出し物を書いたボードを持ち
大きな声で宣伝しながら
うろついていた

 

 


テミンの教室の入り口から
中を見渡すと
黒板の前で数人の男子生徒と
ふざけあいながら
話しているテミンが見えた

 

 

 

 


「テミン…ちゃんと居場所が
あるみたいだな」

 


「うん、笑ってるね」

 


ミノがブンブンと手を振り
気がついたテミンが
やって来た

 


「みんなで来てくれたの?」

 


「おお、最後の文化祭だからな
オニュヒョンとミノは睡眠ゼロで
来てるんだぜ」

 


「ジョンヒョンは有休取ったしね」

 

 


「ヒョン~
ありがと」

 


テミンが順々にハグしていった

 

 


「テミン、ステージは
何時から?」

 


「13時から体育館
椅子はみんなの分、とってあるから
大丈夫だからね」

 


「お前、気がきくな」


「まあね~


あ!カイが来た
紹介するね」

 

 


テミンが人混みの中から
背の高い男子生徒を連れて来た

 

 


「今日一緒にダンスする
俺の友達のカイ」

 


「初めまして」

 


真面目な顔つきで腰を折るカイに
「いつも弟がお世話になってます」
と、オニュがお辞儀をし
ジョンヒョンとミノも後ろで
お辞儀をした

 


「いえ…こちら、こそ」
カイが驚いたように慌てて
お辞儀を返した

 

 


テミンとカイは短く打ち合わせをし
カイは失礼します、と
人混みの中へ消えた

 


「カイのダンスすごいんだ」


「そっか、楽しみだな
キーにも今日のダンス
送るつもりだから
しっかりな」


「うん
ねえ、シュークリーム食べてく?」

 


「お、食う食う」

 

 


兄弟が固まって食べていると
テミンが友達に呼ばれ
離れていき
担任が近寄ってきた


間も無く定年ではと思える
高齢の女性だった

 


「いつもテミンがお世話に
なっております」

 

 

 


挨拶を交わすと
「テミン君、ここ半年で
すごく成長されましたね
聞けばアルバイトでかなり
忙しいようですが
勉強もしっかりされていて
欠席もないですし
とっても良い状態だと思いますよ」


「そうですか…
友達とも上手くやってますでしょうか」

 


「ええ、前は遠巻きに
他人事のように見ている部分も
ありましたが
最近は自分から声をかけて
動く、という所が見えます」


「そうですか」


「ぼんやりとしている事も
多いですけどね!」

 


オホホホ!と笑い
「ダンスもプロレベルだと
教員の間で評判なんです
かなり練習していたようなので
楽しみになさって下さいね」

 


「ありがとうございます」

 


担任が声の聞こえない所まで
離れると
兄弟は話し始めた

 

 

 


「よく、見てくれてるなあ
テミンの事を」


「ありがたいなあ」


「テミンにもテミンの世界が
あるんだなあ」

 

 

 

 

 


もぐもぐとシュークリームを
味わい
テミンの成長を噛み締める
兄弟であった