eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 58

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十月~数珠玉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


文化祭で踊っているテミンを
映したDVDをキーに送っていたが
それを一緒に見た
ダンスチームから
テミンにオファーが
かかっているという

 

 


必ず高校は卒業させたいと
家族の意向を伝えてある事

 

 


テミンにその気があるならば
チームの一員となるテストを
受けさせてもらえる事が伝えられた

 

 


合格した場合は
家から通える距離ではないので
宿舎に入る事が必要だった

 

 

 

 

 

 

 


「…テミン、どうする」

 

 

 

 

 

 


テミンはキーを見た

 

 

 


「テミン、俺は今回の契約が終了したら
家に帰る」

 

 

 


え!と驚くテミンに
「今回の経験で自分の中に
たくさんのものが積み重なったのが
わかるし
仲間も出来た


俺、この経験を活かして
自分のダンスチームを
立ち上げたいんだ


この町で」

 

 


目元を柔らかく和ませて
キーは話した

 

 

 


「だから、今お前が抱えている物は
心配するな
また、俺が引き継ぐよ」

 

 


テミンは自分を取り巻く
優しい顔を見回した

 

 

 

 

 

 


「俺、やってみたい」

 

 

 

 

 

 

 


兄達は、わかっていた、というように
微笑んだ

 

 

 

 


「俺たちはもう、お前の前で
お手本として助けてあげる事は
出来ない   テミン」

 

 

 

 


オニュがテミンの頬を
片手で包んだ

 

 

 

 


「ずっとあの時のままで
いられたらな…

 


お前が、いなくなるのは、、
辛いよ

 


だけどお前は自分の道を行かなきゃな」

 

 

 

 

 

 


いつでも、無条件に可愛く
無条件に心配なテミン

 

 


テミンのおかげで
たくさんの驚きや笑いが
この家には鳴り響いてきた

 

 

 


見返りの無い愛を注げた
愛しいマンネに
自分たちはどれほど
支えられてきただろう
どれほど生きる力を
もらってきただろう

 

 

 


愛しいテミンの頬を撫で
オニュは言葉を続けた

 

 

 


「大丈夫だ
今のお前なら、大丈夫

 

 

 


お前は自分の足で立てる男だ

 

 

 

 


お前ならきっと大丈夫だ」

 

 

 

 

 

 

 


オニュの言葉にテミンは
暖かな大好きな背中に
乗せられているかのような
限りない安心感と
まだそこから離れたくないような
心細さを感じ涙が溢れた

 

 

 

 

 


「俺、なんも知らなかったから
びっくりした」

 

 

 

 

 


左右から手が伸び
テミンの髪がくしゃくしゃと
撫でられた

 

 

 

 


「…泣くな、テミン」

 

 

 

 


そういうジョンヒョンは
ヒック、としゃくり上げた

 


ミノが
涙で光る目を瞬かせ
笑顔でジョンヒョンの肩を抱き寄せた

 

 

 

 


「テミンが受かっても
家を離れるのは来年だよ
今からこんな泣いてどうすんの」

 

 

 

 

 


そういうキーの頬も涙で光っていた

 

 

 

 

 

 


「本当に涙もろいんだからさ
うちの家族はみんな」

 

 

 

 


目には見えない
大きな分岐点がそれぞれの道を
指し示す


そんな時期に兄弟は足を踏み入れた

 

 

 

 

 

 


しゃいに兄弟が住まう古い家は
お互いの幸せを願う気持ちを
包み込み
月に照らされ変わらずそこに
建ち続けていた