eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 34

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七月~朝顔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


自宅に戻ったオニュは
玄関の引き戸を開けた途端
上を下への大騒動に巻き込まれていた

 

 

 

 

 


「ヒョン!!
ヒョンが帰ってきた!!
おーい!
ヒョンが帰ってきた!」

 

 

 


ミノが大声で家の奥に声をかけると
オニュの手を引っ張り中へ引きずり込んだ

 

 

 


この間、片付けたばかりの部屋は
あらゆる物が投げ出され
足の踏み場が無いほど物が溢れていた

 

 


「ヒョン、ジョンヒョンのネタ帳
知らない?」

 

 


ミノが聞いてきた

 


騒ぎになっているかもしれないと
予想していたオニュは
動じずに答えた

 

 

 

 

 


「知らない」

 

 

 

 


「…ジョンヒョンのネタ帳が
ないんだって
家中、探したけど見つからないんだ」

 

 

 

 


じっとオニュの顔をみる
テミンの横をすり抜け
ソファで膝を抱え頭を埋めている
ジョンヒョンに近寄った

 

 

 

 

 

 

 


「ジョンヒョン」

 

 


「……キーの言った通りになったよ


俺が悪いんだ
ちゃんとしまわなかったんだ、きっと」


 

 


「ジョンヒョン、あのネタ帳
今書いてる物に
影響があるような事が
書いてあるのか?」

 

 


「……主人公のセリフとか
その時浮かんだ言葉が…」

 

 


「大事、なんだな?」

 

 


「うん、すごく…大事」

 

 


膝に埋めていた顔を上げ
口を歪め笑おうと努力し
「でも、、、大丈夫!
同じ物は書けないけど…


流れは頭の中にあるし…


迷惑かけて、本当にごめん
もう一回、部屋を見てくる」

 

 


ジョンヒョンは無理矢理、笑顔を
顔に貼り付け
悄然として部屋へ向かい
ミノが後を追いかけた

 

 

 

 

 


「…朝、女の人がうちに来たんだ」

 

 

 

 


振り返るとテミンがオニュを
見ていた

 

 

 

 


「ジョンヒョンに借りた傘を
返しに来たって。


ジョンヒョンが家に上げて
お茶を出したよ」

 

 

 

 

 


「そうか」

 

 


「黄色い  イソギンチャクみたい」

 

 

 


「………」

 

 


「または、トイレの横に生えてる
黄色い毒キノコ」

 

 

 

 


「テミン」

 

 

 

 

 


笑いそうになる顔を引き締め
テミンをたしなめた

 

 

 

 

 


「オニュヒョン、
女の人に付きまとわれてるんだってね」

 

 

 

 

 


脈絡なくテミンは
ズバズバと切り込んできた

 

 

 


「八百屋とかダンス教室とかで
みんなが教えてくれる」

 

 


「噂好きだな」

 


「あの人、見た目はヒョンの好み
どストライクだよね
イソギンチャクチックじゃなければ」

 


「テミン、俺、用があるから
支度するわ」

 

 

 

 


いきなり背を向け
部屋を出るオニュに
「あの人、ネタ帳
すっごい見てた!
ヒョン!どうなってるの?
なんか隠してるの?」

 

 

 

 

 


事情はわからないながら
テミンは直感で
何か推理しているようで
追いかけながら
オニュに迫った

 

 

 

 

 

 

 


ドンッと拳が壁に当てられた

 

 

 

 

 

 

 


「テミン、ごめんな
出かけなきゃならないから」

 

 

 

 

 

 


オニュは背中を向けたまま
部屋へ入った

 

 

 

 

 

 

 


壁にはオニュが開けた穴が
あいていた