eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 21

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五月~風薫る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


キーは全国を回る有名な
アーティストの
ダンサーとしてオーディションに
合格していた

 

 


本人の高い能力に加えて
地道な努力を決して怠らず
日々の積み重ねでつかみ取ったと
言っても過言ではない結果だった

 


自分の支度よりも
残す家族の事ばかり考えるキーは
トイレットペーパーや歯ブラシ
シャンプーや洗剤を
爆買いし、自分の部屋に箱を積み上げ
兄弟に口うるさく言い含めた


「何かない、と思ったら
俺の部屋をまず見てね
いい?


テミン!
自分の持ち物は自分で
管理しろ
あと、コップの一個くらい
自分で洗え


ミノ
睡眠時間短いんだから
たまの休みは体を休めないと
怪我するよ
そしたら、周りも困るんだからね


ジョンヒョン!ネタ帳!
ほら~~
縁側にあったよ!
カラスに持って行かれるぞ!
マジで気をつけて
失くしたら2度と同じ言葉は出ないんでしょ?
なんでそんな大事な物
あちこちに置けるんだろう」

 


キーはカレンダーの裏に
家事分担表を記入し
台所の壁に貼った


「ゴミは必ず出す事
一度溜めだすと、あっという間に
ゴミ屋敷になるからね


みんな働いてるんだから
お互い助け合ってやるんだよ


あああ、大丈夫かな、本当に」

 


キーは大好きな我が家が
ゴミ屋敷になっていく様子を
想像し悲しくなった

 

 

 


「オニュヒョン…


ヒョン、これ、貰えないよ
これだけ貯めるのにどれだけ
ヒョンが頑張ったか、わかるから…


俺、自分でも貯金してたから
大丈夫」

 

 


オニュは
「わかってる
それでも、お前にやりたいんだ
お守りだ、持って行け」


優しく笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


やがて、キーが旅立つ日がやってきた
ツアーが終わるまで
半年以上の帰宅は望めなかった


駅まで送るという兄弟の申し出を
頑として拒み
キーは自宅の玄関で別れの挨拶を交わした