eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 22

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五月~風薫る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


まるでエアロビ教室に行く時のような
軽装のキーが
玄関に立っていた


大きなスーツケースが
キーの旅立ちを象徴して横に
置いてあった

 

 

 


「…じゃあ、、行くね


テミン、八百屋とエアロビ、
ダンスも頼んだぞ
信じてるからな」

 

 


「わかってる」

 

 


「…ミノ、寝坊すんなよ」

 

 


「おお」

 

 


「オニュヒョン、みんなを頼みます」

 

 


「キー、大丈夫だ
気を付けてな」

 

 


「…ジョンヒョン」

 

 


ジョンヒョンは廊下の先の部屋で
背中を半分だけ見せていた

 

 


「ジョンヒョン、行ってくるね」

 

 


兄弟がジョン!と呼びかけたが
コクコクと頷いているものの
顔を見せてくれなかった

 


「ここで、いいから。
みんな、ありがとう


行ってきます!」

 

 

 


キーは玄関から足を踏み出し
家を後にした

 

 

 

 

 


新しい出発に心躍らせるよりも
大好きな我が家、大好きな家族
大好きな町を離れる事に
胸が締め付けられ
泣き出しそうになる自分を𠮟咤して
坂道を下って行った

 

 

 

 

 


その時
自分の名前を呼ばれ振り返った

 

 

 

 

 

 

 


「キーーーー!!」


「キーヒョーーーーン!!!」

 

 

 

 

 

 


しゃいに兄弟が平屋の屋根の上に
集合していた

 

 

 


大きな布を振っていると思い
よく見たら鯉のぼりだった
兄弟が小さな時に庭で泳がせた
鯉のぼりをミノとテミンが両端で持ち
掲げていた

 

 

 

 


「…鯉のぼりじゃん」

 

 

 


笑いと涙が込み上げてきた

 

 

 

 


「キー!
言魂バディだ!
いつも、忘れるなよーー!」


オニュがキーの書初め
『頂上』  『彩』を両手に掲げて
叫んでいた

 


「っっヒョン!」

 

 

 


「キー!」

 


ジョンヒョンを見ると
遠目にも泣き崩れているのがわかった

 

 


肩を揺らし、しゃくりあげながら
「言えなくてっ…
ごめんっな!!


合格っっおめでとうっ!!」


くしゃくしゃに顔を歪ませながら
キーに伝えようと大声で叫んだ

 


「頑張れ!!
キーーー!!!」

 

 


キーは流れる涙を拭うことも忘れ
愛する家族を見た

 


屋根の上でキーに届けと
心からの応援を飛ばす自分の家族

 

 

 

 

 


全身で両手を振り応えた

 

 

 

 


家族からの愛を全身に浴び
キーは背を向け坂道を下って行った