eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計〜番外編①

 

 

 

 

 

番外編〜冬の灯台

 

 

 

 

「テミン!
テ〜ミナ!お前、学校じゃないの!?」


まだ薄暗い凍てつく冬の朝
しゃいに兄弟の家で
ジョンヒョンの声が響いていた

 


テーブルには新聞を読んでいるミノと食事中のキーがおり、気の滅入るような
冬の静かな暗がりが部屋の四隅に潜んでいた


冷蔵庫を覗き込みながら
ジョンヒョンが言った

 

「キー、見てきてやってよ」

「やだね、あんな奴面倒みる事ないよ」

「...キー、まだ怒ってんのかよ〜」

「まだ?まだ!?
あったりまえでしょ、ジョンヒョ二ヒョンも見てたじゃん!」
猛烈な勢いで納豆をかき混ぜながら
キーは答えた

「あんな失礼な奴、学校でガツンと言われた方が身のためだよ」


昨夜、テミンの振る舞いに口を出したキー
はテミンから理不尽な口撃を受けたばかりだった


「うん、わかるよ
だけどさ、あんな風に次から次へと
追い詰めたらテミンだってさ

ほら、今難しい年頃なんだしさ」


ジョンが語る途中から顔を険しくしていたキーは


「は?」

 


糸を引く箸をテーブルに置いて立ち上がった

 

「俺が悪かった?」


キーは爆発と理性の狭間で
顔を歪めていた


「俺、間違ってない
言わせたのはテミンだ」


「分かってる、分かってるよ
テミンのために言ってるのは」

 


「分かってない!

ジョンヒョニヒョンも
オニュヒョンも!!

全然分かってない!!!」

 

キーが叫んだ


「二人は知らないんだ
二人は仕事でいつもあいつといるわけじゃない

俺だって全部話してるわけじゃない

俺たちの間にどれだけの事があったかなんて全然知らないじゃないか!!!」


「...キー」


「昨日今日の話じゃないんだ


だから、言ってるのに...
テミンに言ってるのに

俺、もう知らねえ!」


キーはジョンヒョンの前を
顔も見ずに通り抜け
鞄を引っ掴むとバタバタと走り出た


扉がキーの激情を表す
激しい音を立て閉められた


呆然とヨーグルトを手に立ち尽くすジョンヒョンに新聞から顔を上げたミノが
声をかけた

 


「あ〜
朝からトップギア入っちゃったね」

 


「…行ってらっしゃい出来なかった」

 


「キボミの納豆」

 


「……ミノヤ、食べて」

 

 

 


ザザー、と水を流す音が聞こえて
オニュがボサボサの頭で台所に顔を出した


「はよ〜、どしたの」


「あ〜...おはよ
なんでもないよ、大丈夫」


「そっか、ごめんね
もうちょい寝てくるね...」


腫れぼったい目でフラフラと歩くオニュに
ジョンヒョンは相談出来なかった

 

「ヒョン、しっかり寝てきな」


「ん〜、ありがと」


ジョンヒョンは柱時計を見つめ
ため息をついた


キーは、仕事で家を空ける自分達に代わり
誰よりも身近にテミンの世話を
焼いてきた

言わないだけで、数え切れないほどの
衝突もあっただろう


ジョンヒョンは暖かな台所から
冷たい板敷の廊下に足を踏み出し 
キシキシと足音を立てながら
テミンを起こしに向かった