待ち合わせ 8
オニュは崩れかけている
自分の心を冷静に見つめていた
初めて、ヒョンと呼ばれた時の事を思い出す
ダンスをしている時のテミンを思い出す
人恋しくて気が狂いそうになる夜に
規則正しく聞こえる寝息を思い出す
初めてオニュからもらった
ポシェットを破いてしまったと
ただ、その事に悲しんで泣いたテミンを
思い出す
オニュは突然立ち上がった
やらなければならない
どんな事でもしてやる
テミンを失う事は出来ない
アルコールと生ゴミと吐瀉物の
混じり合う暗い路地にいた
目を背けたくなる不衛生な場所
知識も教養もない人間の溜まり場
オニュは
そういう場所を最も嫌い恐れてもいた
だが、今の自分に出来るかもしれない
たった一つの事は
この場所にしか無いと思われた
生きるんだ
テミンのために
生きる
オニュは固く決意した