待ち合わせ 7
街を彷徨った
自分が用無しであることを
突きつけられる事は辛い事だった
歩き疲れて駅前の花壇の縁に座り込んだオニュは絶望していた
仕事を見つけなければ
明日一日で、米が尽きてしまう
いつもは押さえつけている
自分の中の獣が動きだすのをオニュは静かに感じていた
俺には才能があった
今もある
こんな所で這いずり回る人間じゃないんだ
俺が背負わねばならないテミンがいなかったら…
テミンがいなかったら
もっと自由に
生きられるのに
その思考がオニュを狂わせた
静かに自分を見つめる自分
何もかも破壊して回りたくなる自分
自分の中に2人の自分がいるようだった
街灯に照らされたオニュの横顔は
なんの感情も表しておらず
テミンがいなければと
一瞬でも、考えた自分が信じられず
吐き気を催すほど混乱しているとは
外見からは、わからなかった