eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

天泣 24

 

 

 

 

 

 

 

 


「行ってらっしゃい」


「キーさん、お昼の食事は、」


「分かってる、冷蔵庫」


「はい、それから、もし」

 

「分かってる、雨が降ったら洗濯物ね

ほら、早く行きな
友達が待ってるよ」

 

「...はい
キーさん、ありがとう」

 

ふわりとスカートを翻すハニの腕が
取られた

 

キーの体に抱きとめられ
舌を絡ませるキスを受けていた

軽く乳房を揉まれ
ハニがキーの首に腕を回すと
ゆっくりと唇が離れた

 


「ハニ、すごく可愛い」

 


乱れた髪を手櫛で優しく直され
唇を指先でそっと拭われた

 

 

「さ、続きは後でね
ここでやられたくないなら早く行きな」

 


頬を染めたハニがヒールの音を響かせ
出て行った

 

 

キーは窓際に立ち
眼下を見下ろす

 

やがて、ハニの姿が現れ
タクシーに乗り込むのが見えた

 

空を見上げると曇り空だった

 


「晴れよりマシだ」

 

 

独り言を呟き
玄関でチェーンを掛けてから
自分の部屋へと向かう

 

 

書棚の奥の隠された鍵を外し
軽く押すと壁がスライドし
更に空間が現れた

 


モニターの電源を入れて
ヘッドホンを当てる


カチッとスイッチを押すと
ハニの声が聞こえてきた

 


うん、うん、、
主人に聞いてみるわ

ザーとノイズが混じる

 

 


カチッとスイッチを押す

 

 

 

あっあっと掠れたハニの声が流れる

 

 

『ハニ・・・ハニ
愛してるハニ』

 

ギシギシという音

 


『言って、ハニ...言って』

 

んっと掠れた声の後


『愛してる  あなたを...

あなただけを  愛してる』


『もっと...もっと!』

 

『あなた、だけ ...

あなた、 だけ、愛してる』

 


うっとりと目を閉じ
背もたれに身体を預ける

亀裂の入った眉をゆったりと撫で
何度もリピートして聴いている
キーの前にはノートがあった

 

初めてハニに会った日時
天泣の様子
展示場で得た情報から
ハニを探し出すまでの探偵社

ハニの家族の状況
ハニの勤め先
交際内容

父親の会社への出資
母親への宝石や衣服の展示会への誘い
弟への貸付
ハニの電話の受信記録
ハニが出掛けた日


夥しい数の領収書
顔写真の付いた身上書

それらが日記のように
丁寧に書き込まれ
整理されてあり
こんな記述もそこには記載されていた

 

 

 

 


〜月〜日 :ハニ襲撃   報酬〜円

 

 

 

 

 

 

 

 

 


end