eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

天泣 14

 

 

 

 

 

 


それから、しばらくは
平穏に日々は過ぎた


キーは快活で優しく
ハニに尽くした

 

ハニは制限された生活にも慣れ
キーの整える巣の中で
ひっそり暮らしていた

 

二人で朝食を食べている時に
キーが話かけてきた

 


「ハニ 今日の夕飯は外で食べようか」

 

「え?」

 

「今日は仕事が早く終わるから 
デートしませんか?」

 


おどけて誘うキーに
ハニは突然涙を溢れさせた

 

 

「ハニ〜泣き虫さん
これ位で泣く程喜んでくれるなら
映画も追加しようか?」

 

 

 

キーの香りに包まれ
涙を拭われながら
ハニは心の中で違う事を考えていた

 

外出を提案されただけで
涙を零す自分が恐ろしかった

あまりの強い喜びに涙が自然と 
溢れたのだ

 

それは、キーと過ごせる喜びよりも

外に行ける

それ程までに自分は信頼を回復している

そんな思考からきた涙であるように
ハニには思えた


しかし、ハニは
自分に目を向ける思考に蓋をし
キーの話に合わせ
涙を拭い恥ずかしそうに笑ってみせた

 

 

 

ハニはキーが迎えに来る時間に合わせ
シャワーを浴び
あれこれ洋服を選ぶ

 

体に添うパール色のブラウスと
ふんわり開く柔らかなスカートに決めた

 

ドレッサーの引き出しには
キーからのプレゼントの宝石がきらきらと
輝いている


優しく指先で一つ一つに触れ
花の形にデザインされた真珠の
ネックレスを選んだ 

プロポーズの時に渡された花が
デザインされた
ペンダントトップがついており
ハニにとって特別なネックレスだった

 

迎えに来たキーは
ハニを見て目を細めた

 

喜びから輝くばかりの光を発散するハニに
「ハニ...綺麗だ」

 

「綺麗すぎて、外に出したくなくなるよ」

 

顔を曇らせたハニに
フッと笑いかけ
「冗談だよ」


ハニを引き寄せ
唇に優しくキスを落とした

 

「止まらなくなりそうだよ
ハニが綺麗だから」

 

鏡に抱き込んだハニを写し込み
ネックレスを指先でつつくと
ニヤリと笑いかけた

 

激しく抱かれたあの日を思い出し
ハニの下半身は一瞬で反応した

 

 

「...ハニもそうだと、いい」

 

 


全て見通すような眼差しで
キーは見つめていた

 


手を引かれ
ハニは外へ踏み出した