2018-01-01から1年間の記事一覧
八月〜テミンの夏休み そこは駄菓子と文房具、細々とした玩具が 所狭しと置かれた小さな店で店先にベンチがいくつも置いてあるので子供達がよく集まる店であった 「俺が買ってやるよ何がいい?」ジョンヒョンの提案にキーは答えた 「ありがとでも、テミンと…
八月〜テミンの夏休み 「うわ〜涼しい!」 「シッ!テミナ、小さい声でほら、小学生高学年向けの本がたくさんあるだろ この中からそうだなあと一分で選べ」 「ハアっ!?」 「インスピレーションだ迷うな」 「鬼!キー鬼!」 キーはテミンを睨みつけたが「そ…
八月〜テミンの夏休み 「よし!じゃ、始めるぞ宿題のリスト出せ」 「はーい」 しかし、ここからも長かった… 宿題の記載されたプリントが 見当たらないというのだ 「お前〜今まで何やってたんだ?どうやって宿題してたんだよ?」 「えー、漢字スキルと計算ド…
八月〜テミンの夏休み 「ほら、とりあえずさっさと飯食えそれから顔洗って着替えろテレビ消せ10時半から始めるぞ」 「ええ!?あと10分しかないじゃん」 「だから、さっさと食え俺、二回目の洗濯物してくるからなそれまでに、やっとけよ」 「ぶぅ〜」 風呂掃…
八月〜テミンの夏休み 「…おはよ〜」 「おはよ〜、じゃっ、ねえよ!何時だと思ってんだ」 「……10時?」 壁掛け時計を見上げテミンは素直に答える 「全く!最近の小学生は!夏休みだからって毎日好き勝手に寝起きして!宿題やってんのかよ?」 「…みんなはぁ…
こんばんはm(._.)m こんばんは、この言葉の先から何を書けばいいのか言葉が出ず、ぼんやりしてしまいそうになる私であります これから上げるしゃいに兄弟の話ですが下書き保存していたのですがそれが一年前の日付になっておりそんなに時間が経っていたのかと…
十二月〜冬の虹 駅前のコーヒーショップから十二月の冬景色をジョンヒョンがぼんやりと 眺めていた 同年代と見られる多くの男はいかにも忙しそうに雪の中を歩いている 『お前、今何やってんの?え?そろばん塾?え、それだけ?』 同窓会で会ったかつてのクラ…
十二月〜冬の虹 「ふぃー いい湯だった〜」 ジョンヒョンがお気に入りの怪獣の着ぐるみパジャマで風呂から上がってきた それは大きく口を開け牙が並んだ顔のフードが付いた暖かく柔らかそうなパジャマであったが見た目があまりにおちゃらけている為二十代の…
十一月~冬囲 帰ってきたミノ、ジョンヒョン、テミンオニュが炬燵の一片に固まっている 炬燵の天板には携帯電話が立て掛けられキーの顔が写し出されていた 「キーヒョーン」 オニュの背後からテミンが顔を出し手をふった 「はいはい、見えてる見えてる テミン、…
十一月~冬囲 洗濯物を出そうと風呂場に行くテミンが通りかかった台所をふと見るとジョンヒョンがいた 首元をふっくりと隠す暖かそうな白いタートルネックに 青いオニュの半纏を着込んでおり胸の前で親指と小指だけ立て両手をクロスさせたりピースサインを裏…
十一月~冬囲 「ただいまあー!ヒョーン」 ミノがずんずんと居間に入っていくとテミンが身軽に飛んで来てシーっと人差し指を立ててきた 何??と声を出さずに問うとテミンはコタツを指さした そこには背中を震わせながら俯いているジョンヒョンがおり驚いたミ…
十一月~冬林檎 晴れて霞がかった青空が陽の傾きとともに、ゆっくりと淡いオレンジに変わる その空の向こうには輝き始めたばかりの月が白く浮かんでいた 木枯らしが地表を吹き渡り人々の上着をはためかせる そんなある、夕暮れ時駅前のファストフード店で女…
十一月~冬林檎 ミノが仕事に行きWE LOVE YOUオムレツを食べていると ジョンヒョンが起きてきた 「…はよ~」 眠たげなジョンヒョンは無愛想だった 「おはよ」 「…何?何笑ってますか」 「ん?笑ってる?」 「笑ってる。やらしい」 「ん~やらしい?」 「やらしい」 …
十一月~初霜 翌朝オニュが起きてくると新聞配達を終えたミノが台所にいた 「おはよう!!!」 「んぁ~ おはよ…」 寝起きで目が開ききっていないオニュに対しミノは元気一杯できらきら輝く笑顔で話しかけてきた 「ヒョン!俺は子供五人産むから!」 「……え…
十一月~初霜 オニュが玄関を開けると「お帰り~」とジョンヒョンが出て来た 「テミン、やったな」 「うん」 台所には暖かな湯気が立ち昇っていた 「御飯、作ってくれてるの?」 「ラーメンだよ」 「ありがとな」 「今日は早く帰れたから」 ジョンヒョンはワ…
十一月~暮秋 テミンに声を掛けたプロダクションのオーディションが十一月の終わりに行われその場で採用と言われたと興奮したテミンから電話がかかってきた 会話にならないテミンと代わり実際に所属して動き始めるのは高校の卒業が終わってからとなったと付…
十一月~紅葉 毎年恒例のコタツが居座るリビングにミノとテミンとオニュが座っていた 「ああああ、コタツ君最高だなあ」 テミンがゴロゴロとしながら寛いでいた 「だよなあ、このコタツもう、捨てれねえよななんかもう、家族の歴史じゃん」 ミノが天板につい…
十月~数珠玉 文化祭で踊っているテミンを映したDVDをキーに送っていたがそれを一緒に見たダンスチームからテミンにオファーがかかっているという 必ず高校は卒業させたいと家族の意向を伝えてある事 テミンにその気があるならばチームの一員となるテストを…
十月~数珠玉 ぐちゃぐちゃと絡まる兄弟をオニュとキーが整列させていた テミンは母親の背中に乗り外に現れた 「ああーーテミン、母さんから離れなくてなー綺麗な服着てんだから降りろって言ってんのになかなか降りなくてさ」 母親がオニュに近寄るとテミン…
十月~数珠玉 満腹になるまで餃子を食べた兄弟は家の換気をするため窓を全開にした 「さみぃーー」 キーは玄関まで全開にし風通しをしたので餃子臭は大分薄れたが兄弟が発する口臭がそもそも餃子臭いのであまり意味はなかった 「んじゃ片付けますか」 皿を運…
十月~数珠玉 「ただいまー!」 玄関を開けると香ばしい匂いで満ちていた 「テミン、おかえり!」 「良い匂いーー」 「今日は餃子パーティだぜー!」 「やったあ!」 五人の男たちの胃袋を満たす餃子の量は半端なくテーブルに広げたホットプレートで焼きガス…
十月~数珠玉 キャベツをぶら下げた男が中腰で音楽が漏れ聞こえる部屋を遠目から覗き込んでいた 「何か御用ですか?」 ビクッと振り向いた男を見て「ッキ!!!」と大声で叫びそうになった女性に両手で黙るよう必死にアピールし物陰に隠れた 「…キー先生!」…
十月~数珠玉 学校から帰宅したテミンは玄関先からいつもと違う空気を感じていた 自由気ままに生え伸びていた雑草が抜かれ立てかけてあった傘や長靴は無くなりパリッとした雰囲気が漂っていた ただいま~と玄関扉を開けますますその思いを強くした 廊下や玄…
十月~薄紅葉 しゃいに兄弟の居間にコタツ好きなオニュの意向によりコタツが再び登場した 出された当初は「早!!国で一番乗りじゃね?」 など言っていた兄弟だが今では「あー、コタツ最高だわ…」とコタツの魅力にイチコロだった その居間の空気が過度に出さ…
九月~秋雲 ジョンヒョンは銀杏並木の間にポツリポツリと設置されているベンチに座っていた 空気はひんやりと爽やかで薄い青空が黄色く染まった並木の遥か彼方に広がっていた ヒラヒラと舞い落ちるイチョウの葉を見ながら仕事場での事に思考が飛んだ 塾の方…
九月~白露 夜中に喉の乾いたテミンが台所に行こうとするとボソボソと男達の低音な話し声が聞こえてきた 「…キーの…だろ」 「…けど…テミンの…」 台所の眩しい明かりに目をしょぼつかせながら見回すと自分以外の兄弟が集まっており明らかにテミンの出現に慌て…
九月~秋冷 板張りの部屋に子供達が10数人おりカーテンの開けられた窓ガラスに映る姿を鏡代わりに見立て練習していた テミンも子供達もオニュには背を向け練習しておりオニュは見つからないよう物陰からそっと様子を覗き見た カウントで細かな動きを確認して…
九月~秋冷 スウェットにパーカーで サンダル履きのオニュが商店街を歩いていた 裸足で履いたサンダルのつま先を秋の冷たい夕風が撫でて行き オニュは背中を丸めて歩いた 八百屋に着くといつもテミンがお世話になってますと挨拶をし、目当ての野菜を見て回っ…
九月~秋冷 しん、と静まり返るしゃいに兄弟の家の台所に寝起きのオニュが入ってきた 夜勤明けで眠り続けた為15時近くになっていた 冷たい水を喉仏を上下させながらゴクゴクと飲み干し流しを見た 朝から一度も洗われていないであろう食器が積み上げられてい…
九月~金木犀 「ジョンヒョン君、この場面とこの場面ですが何が書きたかったの?私に説明してみて下さい」 程よく会話が掻き消される話し声やBGMの音が流れるコーヒーショップでジョンヒョンは担当の女性と向き合っていた テーブルの下で拳を握りジョンヒョ…