eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 68

 

 

 

 

 

 


十二月〜冬の虹

 

 

 

 

 


「ふぃー  いい湯だった〜」

 

 

ジョンヒョンがお気に入りの
怪獣の着ぐるみパジャマで
風呂から上がってきた

 

それは大きく口を開け牙が並んだ顔の
フードが付いた
暖かく柔らかそうな
パジャマであったが
見た目があまりにおちゃらけている為
二十代の成人男子として
突然の来訪者には対応出来ないだろうと
いつも兄弟から指摘されている
パジャマであった

 

 

「テミン 早く風呂入れよ」

 

「...うぃ〜」

 

こたつに入り携帯ゲームをしている
テミンは背を向けたまま答えた

 

そんなテミンを横目で見ながら
台所の小ぶりなテーブルに卓上鏡を
コトリと置き
カサカサ、カタカタと
ジョンヒョンは一人何かを始めた

 


背を丸めこたつに向かうテミンの
携帯がピロンとなった

 


その様子を後ろから眺めるジョンヒョン

 

 

テミンの頭上に大きなはてなマークが
浮かんでいるのが見えるようだった

 


振り向いたテミンは
噴き出した

 

 


「あははははは!!
何 やってんだよ〜〜」

 

 

あはははははと笑いの止まらない
テミンにジョンヒョンは
肩を揺らし笑いを堪えた

 

 

 

「ウケる?」

 

 


ジョンヒョンの顔が異様に極彩色に
包まれていた

 


歌舞伎メイクのようなその色彩の
合間からジョンヒョンの
丸い瞳と鼻の穴、笑いを堪え
ふるふるとしている唇が見えていた

 

「ハアハアっ
もっ、苦しい...
それ、あれじゃん
梨汁ブシャーのやつでしょ」

 


「うん、そうそう」

 


「あ〜本当に何やってんだか」

 

 

ピロンとジョンヒョンの携帯がなった

 

 

テミンからの返信で
〔壊れとる(´ºωº`)〕

 


ジョンヒョンも
〔( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \〕

 

 


とテンションの高い返信をした

 

 


ピロンと鳴る携帯

 

キーからの返信で
〔きょわい......〕
〔(;´・ω・)σ なにそれ・・・〕
〔人間だと思わなかった〕

 


と書かれていた


ジョンヒョンは家族ラインに
写真をアップしたのだ

 

「あ〜、笑ったわ〜
全くうちのヒョンは」

 

笑って皺が出来てしまった
シートパックをぴっちり貼り直している
ジョンヒョンに
風呂行ってくる〜と声をかけ
テミンがいなくなった


ジョンヒョンは再び自撮りを
始めカシャリと撮っては
フフフフフと密かに笑っていた

 

 

その時、玄関のチャイムが鳴った

 

驚いたジョンヒョンは目を見開き
とりあえずインタフォンで応対した

 

 

「...はい」

 

「ちわーす、宅急便でえす」

 

「......はっはい、ちょっとお待ち下さい」

 


慌てたジョンヒョンはシートパックを
外したが顔がツヤツヤと光っていた

 


しかし、怪獣パジャマのままでは
人に会えない


絶対に会えない

 

上着上着と部屋を見渡すも
いつもならどこかしらにある
オニュの半纏すらも見当たらず
ジョンヒョンは追い込まれた

 

「テミン!
ああああ風呂だ風呂!

ミノ!
ミノーー!!」 

 

玄関の外にいる宅配業者に
丸聞こえであろう大声で
寝ていたミノを叩き起し
玄関へ押し出した

 

寝ぼけ眼のミノがモゴモゴと
応対しているのを 
台所に隠れたジョンヒョンは
聞いていた

 


「ミノ〜ごめんな
ありがと」


「ん〜いいよ  ハイこれ」


「オニュヒョン宛かよ!!
ちきしょー!」

 

ミノが通りすがりにジョンヒョンの
帽子を頭に被せたので
怪獣が牙を剥いて現れた

 

 

顔に残った梨汁の香り漂う美容液を
パムパムと手のひらで叩き込みながら
ジョンヒョンは吠えていた