eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計〜番外編④

 

 

 

 

 

 


八月〜テミンの夏休み

 

 

 

 

 


「うわ〜涼しい!」

 


「シッ!テミナ、小さい声で
ほら、小学生高学年向けの本が
たくさんあるだろ

この中からそうだな
あと一分で選べ」

 

 

「ハアっ!?」

 

 

「インスピレーションだ
迷うな」

 

 


「鬼!キー鬼!」

 

 

 

キーはテミンを睨みつけたが
「それじゃ、目をつぶんな
俺がお前の指で本を指してやる」

 

 

「ええ、そんなのあり?」

 

 

 

そういいながら兄の言う通り
目をつぶり大人しく
指を本まで持っていかれるテミンであった

 

 

「はい、これね」

 

 

目を開けたテミンは
難色を示した
「ルドルフといっぱいあってな?」

 


「はい、決定〜
はい、学習コーナーに行くぞ〜」

 

 


二人は学習室を覗いた

 

机に置かれたノートや教科書が
主のいない場所を守っている席が
数箇所


ヒソヒソと話を交わす小学生や 
学校の先生のような風格の男性が
静かに本を読んでいる中
二人は空いている席につき 
ノートを広げた

 

 


「ジョンいないね」

 

 


シッと唇に指を当て
キーは筆談した

 

 


[今から15分で全部読め]

 

 

 

キーが書いたノートの文字を見て
テミンはびっくりした


言い返そうとする弟の口を抑え
[頑張れ 帰りにジュース買ってやる]

 

 


そう書くとテミンの背中をポンと叩き
本を押し付けた

 

 

 

朝から汗を流して親の家事を手伝い
どうにか図書館まで
テミンを連れ出す所まで
任務をこなしたキーは疲れていた

 

 

空調の効いた室内
微かに聞こえる話し声や靴音

 


それらが心地よいリズムで
体を包み ほんの一瞬
ウトウトと眠りの世界を漂っていた


ああ、俺、眠っている…
そんなキーの思考を呼び戻したのは
暖かな両手で瞼を抑えられる感覚だった

 

 

はっと手を掴み振り返ると 
ジョンヒョンが笑っていた

 

 

「ジョンヒョニヒョン!」

 

 

 

小声で叫ぶキーの横で
テミンが鼻の下に鉛筆を挟み
ニコニコと笑っていた

 

 

 


「何してんの?宿題?」

 

 

「そう、テミナの読書感想文」

 

 

「ああ〜読書感想文は難しいよな」

 

 

「ジョンヒョニヒョン、コツを教えてやってよ」

 

 

「そうだな〜一番印象に残るセリフを
冒頭に、が王道だぞ」

 

 


いつしか学習室はしゃいに兄弟だけに
なっており
テミンを真ん中に兄たちは両側から
あれこれとアドバイスと言う名の
誘導を行い
サクサクと読書感想文の構成が
整えられて行った

 

 


「どれ、見せてみな」

 

 


ジョンヒョンがテミンから原稿用紙を
引き寄せ全体を読み通した

 

 

 

「なかなかいいじゃん
頑張ったなテミン」

 

 


「やったな、テミン〜

あああ〜   腰痛え〜

一つ宿題が終わったな
約束通りジュース買いに行こうぜ」

 

 

 

「俺も帰るわ ちょっと待ってて」

 

 

 

図書館から出ると
青空から降り注ぐ強烈な陽射しに
目が眩み 三人は揃って
掌で庇を作り空を見上げた

 


なぜか鞄からポトポトと
物を落とすテミンに
仕舞うのを手伝っていた兄たちは
嫌な予感で振り返ると
テミンの通った道筋にポトリポトリと
物が落ちていた

 


ヘンゼルかよ、グレーテルかよと
ツッコミを入れながら
三人は陽射しの中を拾って歩き
太陽に灼かれた

 

 

額から首筋から汗を流し
自転車に跨ると  三人は目当ての
店へと走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


キー君、お疲れ(*ˊᵕˋ*)

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


キーヒョン、ファイテン( *˙ω˙*)و グッ!