eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 46

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

九月~金木犀

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ジョンヒョン君、
この場面とこの場面ですが
何が書きたかったの?
私に説明してみて下さい」

 

 

 

 


程よく会話が
掻き消される話し声やBGMの音が
流れるコーヒーショップで
ジョンヒョンは担当の女性と
向き合っていた

 

 

 

 

 


テーブルの下で拳を握り
ジョンヒョンは紙面に書かれた世界を
自分の言葉で纏めてみようと
頭をフル回転させた

 


聞かれるだろうとわかっていたので
あらかじめ考えていたのに
言葉にするといかにも
自分の書いた物はくだらなく思えた

 

 

 


「なるほど

 


では前回、提案した
改善箇所について


実際、書いてみて
どう思いましたか?」

 

 


ジョンヒョンの言葉に
じっと聞き入る担当者は
メモを取りながら
立て続けに質問を
ぶつけてきた

 


答える度にジョンヒョンは
心の隅々まで点検され
自信が削がれていく感覚を強めた

 

 

 

 

 


「お、僕は…やっぱりだめですよね」

 


「はい?」

 

 

 

 


この所、悩み続けていた
書く、というその行為


ダメだしや訂正が入る度に
自分の指針がズレる感覚


自分の価値について
我慢できずに話した

 

 


「それから?
まだ、あるでしょう?
全部、言っちゃいなさい」

 

 

 

 


「世の中には、もうすでに
たくさんの物語が生み出されていて…
何度読み返しても輝き続ける
素晴らしい本がたくさんあります

 

 

 


僕が書かなくったって…


僕みたいな才能のないやつの
話をみてもらって…
面倒みてもらって、、、
すみません」

 


担当者はジョンヒョンを
真っ直ぐ見つめ原稿をトントンと
まとめた

 


「じゃあ、私の意見を
言わせてもらいますね

 


作品について聞くのは
あなたが自分が書くものに対して
完全に理解しているか確認するためで
あなたを否定している
わけではないの」

 


「才能については…
そうですね、本を書くという
才能は、取り出して目の前に
見せれるものではないわよね


だから、いくら私が
あなたに才能があると言っても
信じられないかもしれない」

 

 

 

 

 


「だから事実を言うわ


…あなたは、
最終選考まで残った


担当を付ける価値がある
才能が認められたから
あなたと私は会った」

 


「マツリカさん」

 


「マツ子、でいいですよ」

 

 

 

 


ジョンヒョンの原稿を
撫で担当者は続けた

 

 

 

 


「素晴らしい作品は過去
たくさん生まれてます
私たちの世界を明るく照らす一瞬
人生に指針をもたらす一文


確かに既に言葉は出尽くしているかも
しれません


だけど、あなたは世界でただ一人の
人でしょう?


あなたが書ける世界は
あなただけの物


あなたが書かなければ
生まれない世界ですよ」

 


コーヒーを一口飲み
続けた

 

 


「私は担当者として
必ず出版まで持っていくと
決心してるし
出来ると思っています」

 


「それにね…
これは、、、
担当者として、より
個人的な感想だけど
あなたも輝き続ける世界を
残せる人だと私は思ってるの


あなたの作品が
好きなのよ

 


あなたの世界が好きな人間が
ほら、もう、目の前に
一人いるでしょ?

 


だから、書き続けなさい
ジョンヒョン君


あなたは書かずには
いられない人なの」

 


眼鏡の奥の目に笑いを浮かべ
ジョンヒョンに笑いかける
担当者を見て
ジョンヒョンは
体中に熱いエネルギーが
満ち溢れてくるのを感じていた

 

 

 

 


「はい」

 

 

 

 


潤んだ目で笑うジョンヒョンを見て
担当者は胸をトントンした

 

 

 

 


「…どうかしましたか?
マツ子さん?」

 


「…いえ、いえ、大丈夫
気にしないで」

 


ブフゥッと鼻から息を出し
「さ!
それじゃ、お互いブチまけた所で
続きをやるわよ!」

 

 

 


キリッと雰囲気を一変させた
担当者マツ子さんを見て
ジョンヒョンは背中をピンとさせ
気持ちを集中させた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


マツ子さん登場♡
(#^.^#)
いただいた大切な言葉達も登場♡


出版業界の事はよくわからないため
正に想像の世界であります^^;
ユルい目で見て下さいませ(๑¯ω¯๑)