eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 54

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十月~数珠玉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


キャベツをぶら下げた男が
中腰で音楽が漏れ聞こえる部屋を
遠目から覗き込んでいた

 

 

 

 


「何か御用ですか?」

 

 

 

 

 


ビクッと振り向いた
男を見て
「ッキ!!!」
と大声で叫びそうになった女性に
両手で黙るよう必死にアピールし
物陰に隠れた

 

 

 

 

 


「…キー先生!」

 


「驚かせて、すみません
休みが取れたのでちょっと覗きに
来ていました」

 

 

 


ひそひそ声で話すキーに
「先生!ぜひみんなに会って行って下さい」

 

 

 

 

 


保護者が勧めたが
「いえ、今日はやめておきます
今は、テミンが教えていますから」

 

 

 

 

 


にっこり笑いながら辞退するキーに
保護者は残念がった

 

 

 

 

 

 


「また、近い内にそういう
時間も取れると思います
テミン、どうですか?」

 

 

 

 


この保護者は
以前、オニュにもテミンの話をした女性で
テミンがとても頑張っている事
今ではみんなが
テミンを慕っている事を告げた

 

 

 

 

 

 


「そうですか、テミンがね」

 

 

 

 

 

 


下唇を噛み
子供たちの前で踊るテミンを
覗き見た

 

 

 

 

 

 


「皆さんにも、色々とご迷惑をおかけして
本当にすみませんでした
見守って下って感謝しています
ありがとうございました」

 

 

 

 


深く頭を下げるキーに
「先生、やめて下さい
感謝しているのは私達ですよ
いつまでも、テミンちゃんには
子供たちと関わって欲しいですもの


もちろん、キー先生もですけど


先生は今、別の場所で活躍されてますものね」

 

 


「はい」

 


「本当はね、先生…
テミンちゃんも羽ばたく人なんじゃないかって、思ってるんです
私達…


だけど、こうして来てくれている間は
それに感謝して…
貴重な時間だよって
子供たちに言って
送り出してます」

 

 

 

 


優しく教室を見やる保護者を
見つめキーは人が繋がっていく
暖かな気持ちを感じ
胸がじんわりと熱くなっていた