eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

天泣 8

 

 

 

 

 

 

 

 


カチャリ、と扉が閉まる音が背後に
聞こえ
ハイヒールのストラップを
外そうと足元に手を伸ばしたハニを
キーが包んだ

 

 

「だめ、靴 脱がないで」

 

 

髪をかきあげられ
現れた首筋に唇を落された

 


「...キーさん」

 


胸元に伸びた手首を掴み
抵抗したハニの手は
キーの力には全くかなわず
キーの思うままに体を揺さぶられた


キーに抱えあげられたハニの足先には
繊細なヒールの靴が玄関先の灯りを受けて
艶やかに光を放ち

ブラウスのボタンを中途半端に外された
上半身は肩が露出し
キーの手で乳房が揉みしだかれていた

 

「見て」

 

ハニが背後のキーを見ると
「鏡」

 

玄関先に取り付けられた
一枚の大きな鏡に背後からキーに
貫かれている自分が映っていた

 


ゆらゆらと揺らされ
全てをキーに委ねている自分に
カッと体が熱くなる

 


「ハニ 僕に 抱かれてるハニ」

 


キーの目が鏡の中の自分を
見ている

 

その顔の冷たさに
はっと胸をつかれ
キーの頬に手を伸ばした


「キーさん、キス、しないんですか」

 

キーは直にハニを見ず
鏡越しに答える

 

「そう キスは しない」

 


キーさん、呼びかけは届かず

「さあ、見せて
ハニがいくところ 

どんな顔をする?

ねえ 
どんな声なの?」


見せてよ

ねえ

聞かせて

 

キーに囁かれ
執拗な挿入にハニの体が
反応し始める


口元に当てたハニの手を
キーに外され
鏡を見るよう無理矢理
顔を向けられる

体を二つ折りに
前のめりになるハニの片方の腕を強く引き
上半身を鏡に写し込み
激しくハニを揺さぶった

 


冷たいキーの顔を見ながら
体の奥から立ち上る熱いうねりが
ハニの心を叩き
込み上げる悲しみに混乱し
涙を流しながらハニは達した


自分の口から漏れ出る声が
喘ぎ声なのか、泣き声なのか
わからなかった

ハニの体から抜け出したキーが
達したのかどうかも
わからなかった

 

キーは屈んで
ハニのハイヒールのストラップを
ぱちん、と外していった

 

 

そして、ハニの頬に流れる涙を
暖かな両手で優しく、優しく拭う

 


「ハニ、最高だよ」

 

 

 


下半身に熱い火照りを感じながら
ハニは寂寥感で言葉にならず
壁に凭れて涙を流した

 

 


キーと結婚して数ヶ月が
過ぎていた

キーは夫として完璧だった
常にハニに気を配り
ハニの全てを管理した

 

管理、だった

 


高圧的な態度や物言いはなかったが
ハニはキーの許しが無ければ
散歩にも行けなかった

そしてそれはキーの我儘ではなく
ハニのため、
ハニを愛しているからなのだ、
どんなに言葉を尽くしても
その結論に行き着いた

 

友達と会う機会は極端に減り
家族と会うときも大抵キーが
一緒だった


今日は実家に幼馴染みとその家族が
来ており
久しぶりに大勢で食卓を囲み
楽しい時間を過ごしてきたのだった


キーは知らされていなかった
幼馴染みの家族の登場にも
全く嫌がらず
朗らかに堂々と振る舞い
しっかり自分のポジションを
保持していた

 

 

キーが激しく自分を抱く時

他人との交流の時間があった後に
それはおきているように思えた


父や母、弟と話している時でさえ
キーからの焼かれるような視線を
感じる事があった


あれだけ楽しそうに振舞っている
キーからは想像もつかない考えかもしれないがそれしか原因が思いつかなかった

 

自分は疑われる存在なんだろうか
キーに不安を与える存在なんだろうか

 

そして この生活は

愛、というんだろうか

 

 


すっかり馴染んだキーの香りを
自分自身から感じ
ハニはキーに手を取られ
ベッドルームへと向かっていた