eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

神の留守〜飴細工の川5

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大きな木が、ふわふわとした白い花を
纏わせ川沿いに立ち並んでいる

 


木と木の間には裸電球がぶら下がり
夜でもなく、昼でもない
どっち付かずな光源をジリジリと
放ち出しており
その灯りの下で幾つもの屋台が
店を連ねていた

 


雑踏の中、ある職人の店から
離れられない少年がいた

 

 


それは灯りの下で生き物のように
伸びたり縮んだりしていた

 

濃いオレンジ色の光を浴びて
職人の手により
練られ伸ばされ変化する

 


テミンは我を忘れ
立ち尽くし見つめ続けた

 

両肩に暖かな手が置かれる
『行くぞ』

 

 


テミンをいざなう広い背中の男の
上腕に布が巻かれていた

 

 

雑踏を振り返ると
オレンジ色の光の下にうさぎや金魚
様々なカタチの美しく輝くものが
変わらずそこにあった

 

 


『見ててごらん』そう言われ
火にかけられた鍋を覗き込む

 

透明な液体が見えた

 


温められた液体は
やがてふつふつと気泡を立て
甘い香りが立ち昇る

 

テミンは鍋から目を離し
オニュを見上げた

 

『テミン、目を離しちゃダメだ
もうすぐ色が変わるよ』

 

鍋に視線を戻すと
透明な液体に琥珀色が混ざり始め
やがてそれは全体を染め上げ
とろりとしたカタチに変化していった

 

オニュは鍋を火から離し
さらに煮詰めていく

 


木の棒を鍋に入れ
くるくる回すと
棒にとろみが絡み付き
持ち上げると透明な糸を引いた

 

 

『ほら』

 

 

テミンに棒を渡し
やってごらんと手を添えられる


熱い鍋に手を触れてしまい
体が跳ねる


それでも夢中でテミンは
棒に甘やかな匂いを放つ
琥珀色の物体を絡めていく…

 

 

…棒の先端に付く塊は光を浴びて
柔らかに輝いている

 

オニュがその塊をペロッと舐めた


テミンにも目線で促す

 

舌をそっと塊に当て舐め上げると
暖かな甘味が口中に広がり
テミンは目を見開いた

 

『お店みたいにうさぎは作れないけど
甘いだろ?』

 


返事をする間も惜しみ
テミンは舐め上げる

 


微笑むオニュの顔が琥珀色に輝き
二人は透明な液体に包まれる…

 

 

 

 

 

 

 

押し潰された花の上で
全裸の男と黒のワイシャツ一枚だけを
羽織った男が蠢いている

 


屹立したビンの下半身を
舌を出して舐め上げているのは
テミンだった