eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 32

 

 

 

 

 

 


アオがオニュの前から消え
一年が過ぎた

色も香気もなくなった世界で
オニュは、ただ日々を過ごし
淡々と過ごしていた

 

バイトも続けていたが
惰性で続けているだけだった

仕事終わりにユーキに飲みに誘われ
断るのも億劫で付いて行った

 

「さあ!ジンギ、飲みな!
今日は私が全部奢っちゃう!

誘い続けて一年、やっとジンギが
来てくれたんだからね~
お祝いだ!」

 

お祝いなどと言う女に
反発心が湧き上がったが
無視した

 

ほとんどユーキが喋り
オニュは飲み続けたが
全く乱れなかった

 

「ジンギ、強いね~
私、もうヘロヘロだあ」

 

「俺、もう、帰ります」

オニュは
伝票を掴み立ち上がった

「先輩、タクシー呼んどきますから
それで帰って下さい」

言い捨ててレジへ向かった

 

 

 

ユーキが椅子を蹴倒し付いてきた

「私が払うって言ったでしょ
返して!」

伝票を奪われ押し退けられた

 

 

オニュは先に外に出て
タクシーを呼んだ

女をタクシーに押し込んで帰るつもりだった

「なーに、してんのよ
タクシーなんて呼んじゃってさあ

そんなに、私と離れたいわけ?
せっかく慰めてあげてたのにさあ~」

 

 

「…は?」

 

 

「あんたがいつまでも暗い顔してるからあ
元気になって欲しくて~
誘ったんだよ

あんたがそんな顔してっと
アオちゃんも浮かばれないよ~
あん時と、おんなじ顔してんじゃないかなあ~」

 

 

「…あん時って、なんだよ」

 

 

沸々と常に湧き上がっている
怒りと後悔に火を付けるユーキの言葉に
オニュは目を吊り上げ問いただした

 

 

酔ったユーキはオニュの変化に
気がつかず喋り続けた

 

 


「あん時っつったらあん時しか
ないでしょーが

アオちゃんとは一回しか会ってないんだからさあ

あん時の彼女、死にそうだったよねえ
あ、もう、本当に死んじゃってたんだった

ごめん、ジンギ」

 

 

酔っ払いの戯言と聞き捨てる事は出来なかった

「黙れ」

 

 

「ごめん、、
あたし本当ばかだなあ

こんな事言うつもりじゃなかった

本当ごめん

あたしはさあ、あんたの笑った顔が好きなんだよ
だからさ、笑って欲しくて

アオちゃん死んでもう一年だもん

元気になって欲しくてさ」

 

 

 

 

「お前がアオの名前を口にするな!!」

 

 


何に向かいこんなに怒りが
迸るのかオニュにはもう、わからなかった
体が震える程の怒りを発散させるため
目の前のユーキではなく
ガードレールに蹴りをいれた

 

 

ユーキを見たら手を出してしまいそうで
オニュは背を向け歩き始めた

すると、ユーキが縋ってきた

 

 

「待って
ごめん、ジンギ
ごめん

もう、言わないから
アオちゃんの事は
もう言わない

あたしはジンギが好きなだけなんだよ」

 

 

全身に炎が回った
ユーキの腕を掴み
先ほどの飲食店が入っている
ビルの暗がりに引きづり込んだ

 

 


「俺が好き?
ふざけんなよ

俺はお前が嫌いだ

二度と!
アオの名前を口にするな!!」

 

 

首を締めながら囁いた

 

 

 

「ジンギ…辛いんでしょ
アオちゃんいなくて寂しいんでしょ
あたしが代わりに慰めてあげるよ」

 

首を締められながら
オニュの股間に太ももを当ててきた

 

 

「ほら、挿れてごらん
助けてあげるから」

 

 


オニュの殺意がアドレナリンとなり
体を燃え上がらせ
首を絞めるほど憎しみを抱いた女に
硬く下半身を勃ち上がらせていた

 

 


ユーキを壁に叩きつけ手をつかせ
下着を引き摺り下ろし
背後からそのまま突き立てた

久しぶりに味わう女の体に
何もかも忘れ腰を振った

 

 


体が止まらなかった

ユーキの気持ちは全く考えず
解放に向かい突き立てた

その時アオとの記憶が蘇った

 

 

 


『オニュ、こういう事するの、私だけ?』

『そう、アオだけ』

 

 

 

オニュの首筋に押し付けられたアオの鼻先
柔らかなアオの体

 

 

 


『アオは特別』

 

 

 

 

 

愛してる


愛してる


愛してる

 

 

 

 

 

 

 

 

オニュはギリギリで女から抜け出し
汚れた路面に向け白い液体を飛び散らせた

 

 

 


オニュは荒い息で泣いていたが
ユーキもまた、壁に向かい
涙を流していたのだった