eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 33

 

 

 

 

 

 


オニュは黙って自分の身なりを整えた

ユーキの衣服も直してやるべきだと思ったが
どうしても、手が出せなかった

 

壁に寄りかかり、離れたまま話しかけた

 

 

「先輩、すみませんでした

俺、あなたとはもう会いません
バイトも辞めます」

 

 

「ジンギ、ごめん
飲み過ぎたよ あたし

明日になったらきっと
覚えてないと思う


本当 ごめん」

 

 

 

「タクシー呼びますから
行きましょう」

 

 


ユーキをタクシーに押し込み
オニュは1人夜道を歩いた

 

俺は何をやってるんだ
嫌いな女に勃起して
気持ちもないのに挿入し
精液までぶちまけた

 

 


ふいに蘇ったアオの濃密な気配が
体から離れなかった

 


ユーキの言葉が頭の中で響いた

あの時…
ユーキにはアオが死にそうに
見えていたのか

 

 

 


俺は

なぜ気がついてやれなかったんだ

ユーキが気がついたのに
なぜ俺は気がつかなかったんだ

 

 


死を覚悟する程の気持ちで
俺に会いに来たのに
俺は助けてやれなかった

 

薄い膜で体を覆われているような
身動きの取れない苦しさを感じた

 

どんな日でも
どんな些細な事でも
アオを思わない日は
なかった

 

 

 


自分だけこの世に残る意味が
あるんだろうか

オニュはこれまでも
何度も考えた思考に行き着いた

アオが恋しかった

アオの声を聞き
アオを抱きしめ
アオと笑いあいたかった

 

 

 


そして


アオに教えて欲しかった

 

 


なぜ一人で逝ったのか
なぜ俺に話さず逝ったのか

 

 

 

勝手に

 

自分だけ

 

俺を残して

 

 

けれど、どんなに探しても
どんなに求めても
アオはいない

 

 

冷たい滝に打たれ揺られていた
白いアオの顔を思い出し
オニュは歩く事が出来ず
顔を押さえ体を震わせ泣いていた

 

 


いつまで続くんだ

 


いつまでこの苦しみは続くんだ

 

 


絶望の中からオニュは
抜け出せずにいた