Rainy Blue 20
ユーキを振り切れないまま、
あっと言う間に駅に着き
アオの姿を探した
人工的な駅の照明の下で
1人でぽつんと立っているアオを見て
胸が締め付けられた
「アオ!」
オニュの顔を視界に入れ
心配気な笑顔を浮かべたアオは
オニュと歩いてくる女性を見て
ハッとした
「あ~、アオ、こちらバイト先の先輩で…
どうしても、アオに会いたいって
言って…」
「無理矢理、付いてきたの!
ジンギが、あんまりにも隠すから
見たくなっちゃって!
急に付いて来ちゃって
ごめんね!」
「初めまして、アオと申します」
丁寧にお辞儀をしてきたアオに
「やっぱり!
本当に可愛いー!
きっとそうだと思ってた
あ、あたしユーキ
よろしくね!
こんなに可愛かったら
隠したくもなるよねー!」
「先輩、そろそろ
いいですか?
俺、アオと話があるんで」
「はいはい!
じゃあ、急にお邪魔しちゃって
ごめんね~
またね、ジンギ!
それから、アオちゃん!」
賑やかなユーキがいなくなり
2人はシーンと向き合った
「あのさ」
「オニュ」
ふふふと笑いあい
オニュがアオの手を掴もうとした時
ギクリとアオが強張った
「アオ?」
「ごめん、なんでもない」
オニュの手を見つめ
そっと手を繋いできた
そのまま、何も言わないアオを見て
何かが変だと感じていた