eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 2

 

 

 

 


「オニュ~待ってよ」

「アオ遅い~」

 


もう~こっちはオニュみたいな
立派な太ももがないんですからねとブツブツ
言う声が風の流れる耳に聞こえてきた

 

 

ちらっと後ろを振り向いたジンギは
汗を浮かべ自分の後を着いてくるアオを見て
頭上に広がる青い空のように
幸せで清々しい気持ちだった

ジンギは、ごく親しい人達から
オニュと呼ばれていた
自分では、わからなかったが
雰囲気からそう呼ばれているようだった

 

2人はそこここでコスモスが揺れる道を
山奥に向かい進んだ

二車線あった車道が一車線となり
樹々が枝を差し交わす小さな橋を渡り
川沿いを走り続けた

陽が真上に近づく頃
自転車を降りて湿った落ち葉を踏みしめ
細い道を進んだ

葉の隙間から差し込む
細かな光が空気を碧く染める中
手を繋ぎ音のする方へ向かった


それは決して大きな滝ではなかったが
岩肌に透明な皮膜が張り付いているかのように
ドウドウと音を立てて水が流れ続け
流れ落ちた水は下方の水面とぶつかり合い弾けて
細かな粒子になり空気を満たしていた

終わりのない水流を
2人は並んで見続けた

ふと、アオを見ると
白い首筋を晒して目を閉じ
顔を上に向けていた

顔には半分、光が当たり
半分、影が射していた

オニュは虚をつかれ
ぼんやりと見続けた

アオは不意に目を開け
オニュを信じきった笑顔で笑いかけてきた

「気持ちいい
来て良かったね オニュ」

我に返ったオニュはそうだなと相槌をうち
お弁当を食べようと誘った

滝を通り過ぎしばらく歩くと
明るく開けた草地があり
小さな山小屋風の建物が立っていて
誰でもご自由にご利用くださいという
張り紙がしてあった

2人は中に入り
アオが作ったおかず、オニュが作った
海苔巻きを食べた

 

「うっま!この肉、おいしー!」

「本当?でも、ただの唐揚げだよ
たくさん食べてね」

頬を膨らませ、喋れないくらい
もぐもぐしているオニュを見て
アオはニコニコしていた

ふいにアオの手が伸びオニュの口元に触れた

「オニュ、ご飯粒!」

細い指先を口元に寄せ
オニュの唇に指を押し付け
ご飯粒を入れてきた

一瞬で離れた指先を
オニュは咄嗟に掴んでいた

「オニュ?」

突然、目覚めた自分の中の激しい衝動に驚き
オニュは指先を離した