eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

待ち合わせ 18

 

 

 

 

 

 

 


以前働いていた店に続く
地下へ向かう階段を転がるように
駆け下りて
扉を力任せに押し開け
飛び込んだ

 

 

「ヒョン!!」

 

 


肩を激しく上下させ
テミンにフラフラと近づいた


「……テミナ」

 

汗で顔を光らせたオニュを見て
テミンはオニュに抱きついた

 

 

 

 

「お前の弟なんだってな」


オーナーが
カウンターで煙草を吹かしていた


「…オーナー」


「お前と同じ登場の仕方だったぜ
いきなり踊らせて下さいっつってよ


俺もおんなじ
踊ってみなって言ってみたのよ

……

こいつは、売り物になる
俺は商売になるなら何でもありだからな


お前も、ほとぼりが冷めたろ
戻ってこい

2人でステージ組んだら
絶対に金になる」

 

商売には情けのない
オーナーだとわかっていたが
自分とテミンが売り物になると踏んで
欲しているのだ
今いる場所よりマシだと思った
どこにも行くあてなどないのだ


テミンの顔を見て決心した

 


「…オーナー

ありがとうございます
よろしくお願い致します」


オニュのお辞儀を見て
テミンも慌ててお辞儀をした

 

 

 

店を出た途端にテミンがオニュの手を
掴み
その場でグルグル回りながら
喜んだ


「シーッ!テミナ!
ちっちゃい声で喜ぶんだ!
まだ、お客がいる店があるからな!」


ひそひそ声のオニュが言った


「ヒョン!!

見て、これ!お客さんがチップをたくさんくれたの!

オーナーが、ほとんど取っちゃったんだけど、まだ、こんなにある!
肉買える?」


ポケットから貨幣を取り出した
テミンの顔には
昇ってきた暖かな朝日が差し
その瞳は光に透けて茶色く輝いていた

 

 

 

「…テミン…

テミナ2度とヒョンの言いつけに背いて
出かけたりしないでくれ

今回は運が良かった

でも、この場所は危険な場所なんだ
俺はテミンを失いたくない

いいか、テミンがいなくなったら
ヒョンは気が狂ってしまうぞ

それを忘れるな」

 

 


テミンの顔を両手で挟み込み
真面目な顔で瞳を覗き込んだ

 

 

「ヒョン
ごめん

僕、ヒョンを助けたかった
もう泣いて欲しくなかった」


「…テミン⁈」

 


「僕は知ってた
ヒョンが苦しんで泣いていたの

 


いつも僕はヒョンのお荷物で…」

 

 

テミンは苦しそうに続けた

 

「でも、もう、小さな子供じゃないんだよ
もっと僕に頼ってよ」

 


「テミナ…

テミナ、お前はお荷物なんかじゃない


今まで俺が生きてこられたのは
お前がいたからだ、ん?

これからもそれは変わらない
お前は俺の弟だ

たった一人の弟だ」

 


「ヒョン…」

 

涙に濡れた頬をお互い拭いあい
2人は未来を夢見て
笑った

 

 


「テミン!
たくさん稼いで少しずつ金を貯めよう
そして、遠くに引っ越そう!」

「遠くに?僕とヒョンで?」


そういうとテミンは飛行機の真似をして
ブーーーンと言いながら駆け回り始めた

「ヒョン!
さあ!肉を買いに行こう!」


「待て、待て。
慌てるな、テミン君!」

「ヒョン!葉っぱが浮いてたスープ
覚えてる?
あれ、まずかったあーーー!!」

「テーミナァ~~
もう、それは言うなよ~!
塩も買ってこよう!!」

 

ブーーーンと飛行機の真似をしながら走り回っていたテミンの視線が
オニュの背後に向けられた時
テミンの顔に恐怖が浮かんだ

 

 


「ヒョン!!危ない!」

 

 

 


突進してきたテミンに横ざまに突き飛ばされ
オニュは地面に激突した

 

 

 

 

 

 

 

 

 


テミンが男に刺されていた