eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue

 

 

 

 

 

 

 

灰色の空から冷たい雨が降り続いていた

 

風はなく
ただ真っ直ぐに地面に向かい降り続く雨

雨は小さな山に生えた草を薙ぎ倒し
下方に向かい流れ落ちた

行き場のない水が小さな水面を作りいくつもの波紋を
作っていた

佇む男は傘を小山に差掛け
指を伸ばし墓標の輪郭をなぞった

雨はたちまち男も濡らし
指先から雫を形作り流れ落ちた

空を仰ぐ白い頬にも幾筋も雫が滴り落ち
微かに開けた口からは死者を想う慟哭が漏れ出ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ジンギとアオは小さい頃からの仲良しで
「結婚する人」なのだとお互い決めていた

春も夏も秋も冬も
目の前に
永遠に続いているかのような時間を
共有してきた2人は
体の成熟と共に精神も成長し
お互い強く惹きつけあい、視線が絡み
手が絡み体を引き寄せあった

ジンギに触れるだけで満足していたアオと違い
抱き寄せた時に無防備にさらされる白い首筋や
なめらかで柔らかな曲線を描く胸を見ると
ジンギは噛み切りたいような
丸ごと飲み込んでしまいたいような
激しい衝動が自分の体を流れるのを感じ
ただ体を硬くし、アオを傷つけないよう息を止めた

 


アオは幼い頃はコロコロと太り
笑うとジンギとそっくりな笑顔の
優しい気立ての女の子だったが、
背が伸び始めると
手足がスラリと細くなり
サナギから蝶が滑り出るように
瞬きをする間に
美しく成長した


ジンギはそんなアオが自慢であり
心配でもあった
全ての男がアオを狙っているように
感じられた


可愛い女の子はたくさんいたが
ジンギが求める女の子はアオだけだった

 

秋晴れのある日、2人で自転車に乗り
山あいに流れる小さな滝を探しに出かけた

昔から滝があると聞いていたが
実際に見た事は無かった


青く澄んだ空を頭上に
2人は滝探しの旅に出掛けた