eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 6

 

 

 

 

 

 

アオの中でビクビクといったオニュは
ハアハアと胸を波立たせアオを組み敷いていた


「オニュ 
良かった、の?」

 

「ああ、アオ…
こんなに気持ちいいの初めて」

 

「良かった…」

 

「アオ、ごめんね
痛い?」

 

「痛いけど…
オニュの色んな顔見れたから…
オニュ、あんな顔するんだね」

 

後始末をしながら聞いた

「どんな?」


「初めて見る顔
怖かったけど…
ドキドキした」

 

 

オニュはきっと欲望が激しく現れた
恐ろしい顔だったに
違いないと小さくため息をついた


「今度は、もっとアオを気持ち良くしてあげられるように
頑張るからね」

 

 

そういうと、えっと驚いた後
恥ずかしそうに頷いた


それよりも、自分とは全く違う
柔らかく細い体を抱きしめていると再び自分に
火が点いてしまいそうで2人は濡れた服を身につけた

 

 

 

急速に降り出した雨は駆け足で通り過ぎ
透明な光が空を満たし
オレンジ色に天蓋の色を変え頭上に広がっていた

 

赤とんぼがスイスイと飛び交う中
2人は手を繋ぎ空を見上げた

雨上がりの眩しい空に虹が架かっていた

キュッと強くオニュの手を握り
「虹、一緒に見るの初めてだね」アオが言った

 

 

「うん…綺麗だなあ」

 

 

「今日は初めてがたくさんあったね
滝を見つけたし
虹を見たし
それに…」

 

 

「それに?何?
お願い 教えてアオ」

耳元で囁かれ
先ほどの行為の中で言われた言葉を思い出し
アオは真っ赤になりオニュの手を振りほどいた

「知らない!」

 

 


身軽に駆け出し先に行ってしまった

 

 

「アオーー!
教えてよーー」

全速力で追いかけてきたオニュを見て
アオは目を見開きキャアキャア笑いながら逃げ回った

 

 

疲れたアオを抱きとめ2人は
もう一度薄れゆく虹を見上げた

 

 

「オニュ…
ちょっと体が痛い」

 

 

「え!そっか
じゃあ、おんぶしてあげる」

 

 

オニュは、しゃがんでアオを振り返った

 

 

「ほら、乗りな」

 

 

 

アオはオニュから離れ助走をつけようとした

 

 

 

「…いやいやいや
アオ~
普通に乗ってよ?」

 

 

「…バレたかあ!」

 

 

アオはオニュに近寄りオニュの背中に体を預けた

 

 

アオの体温を感じオニュは心の底から
愛しさが湧き出るのを感じた

 

 

通りすがりにアオは手を伸ばし
ススキを一本手に取った

 

 

夕闇の中で白い月が浮かんでいた

「…オニュ
私、幸せ」

 

 

「ん~?」

 

 

「こっち見ないで
独り言なんだから!」

 

 

 

アオに頬を挟まれぐいっと前を向かされた

 

 

「んイテテ

ハイハイ 独り言ね」

 

 

「…あのね、晴れた空を見たら今日を思い出す

夕焼けを見たらオニュの背中を思い出す

コスモスを見ても…

流れる水を見ても今日を思い出す

それからトンボにすすき
お月様を見てもオニュを思い出す

雨が降ったら…
雨が降ったら
オニュのこと考える」

 

 

 

アオはオニュの首筋に頬を寄せ
涙を流していた

 

 

 

「それからね

虹を見たら2人で見た事を思い出す

ね…?今日1日でたくさん幸せに会えた
だから、幸せなんだ」

 

 

「…アオ 泣いてるの?」

 

 

「うん…でもね、嬉しくて泣いてるんだよ
良い涙だからいいの」

 

 


アオの涙がポトリポトリとオニュの肩を濡らし
なぜだかオニュは
滝を見ていた時にアオの顔に
半分陽が当たり半分影になっていたその顔を思い出していた

奇妙な胸騒ぎを打ち消すように
オニュはアオを揺すり上げ
走り出していた

 

 

 

夕闇から闇に変わる空の上に
どっちつかずの亡霊のような月がそこにおり
2人を見ていた