eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 36

 

 

 

 

 

 

殺されかけた男は
救急車で運ばれ
オニュは警察車両に乗せられた

 

 

「待って下さい
待って下さい!

事情があるんです
お願いします!
事情を聞いて下さい!

僕も連れて行って下さい!
僕が話します!」


テミンの声が聞こえてきたが
心は動かなかった

オニュは小突かれるままに
車両に乗り
足元を見ていた


転落は自分のすぐ隣に用意されていた

先ほどまで自分の足で自由に
歩いていた街並みを
警察車両の中から眺めた

 

全く後悔はなかった
男を殺せなかった事だけが心残りだった

 

留置所に拘留され
様々な取り調べや手続きを事務的に
行い
長時間に渡る待機時間
房の中で静かにオニュは考えを纏めていった

 

 

 

アオが一人で逝った理由が

自分に何も言わずに逝った理由が
わかったのだ

アオは言わなかったのではない
言えなかったのだ

 

 

 

オニュはあの男の言う事を
受け入れた

 

 


男の連れは信じられなかったようだが
オニュにはわかった

 

 


これで、全て謎が解けた

 

 

 


頭の中でその日のアオを思い描いた

いきなり男に引きずられ
どんなに怖かっただろう
俺を呼んだに違いない

殴られ縛られ
逃げる事も出来ずに
あいつに犯されたのだ

恐怖と混乱の中で…
アオの体が反応してしまった

アオは自分が信じられなかっただろう
俺とではなく

 

 

 

 


無理矢理 犯された男に

 

 

 

 

 


アオ


アオ!

 

 

 

 

 

 


胸を掻き毟られるような
深い深い絶望を
今、アオと共有していた

 

 

 

 


アオは自分が許せなかった

俺が許しても


きっと

 


俺は、、、
聞いていたら許せていただろうか

アオを抱けただろうか
あの時の俺だったら…

 

 

アオは俺の拒絶を
恐れたに違いない

 

 


しかし、ユーキに突き立てた
今の俺なら
わかってあげられただろう

 

 


だが、アオは自分が…
自分自身が許せなかったろう

 

 

 

生きて いられないほどに

 

 

アオは最後に俺に愛されてから
逝った

 

 


俺との記憶を体に上塗りし
俺との時間を最後に選び

 

 

 


オニュは壁にもたれ
折り曲げた膝に
両腕を置き座り込んでいた

 

静かに目線を上げたオニュの顔は
厳しく引き締まっていた

 

 

 

アオは死に
あの男は生きている

 

 

 

 

 

 

 

殺さなくてはならない

 

 

 

 

 

 

 


俺のアオに手を出した落とし前を
つけてもらう