eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

メビウス 12 連鎖の炎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーは封印していた記憶が
流れ出てくるのを感じた


あの頃の閉塞感、自分では何も出来ず
誰かに縋らなければ生きていけない心細さ
雑多な食事の匂い
ざわめく周囲…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ジンギがオニュだった
オニュはジンギだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


施設長の告白は続いていた

 

 

 

 

 

 

 


あの方が倒れたのを見ていたのは
私とあなた、ジョンヒョン、ミノ
オニュ
テミンは気絶していましたから
何も見ていないでしょう


そして、もう1人小さな女の子がいました

 

 


私は警察に届ける事は出来なかった


私は一度オニュを見捨てました
そのオニュや辛い目にあってきた子供たちを再び見捨てる事は
出来なかった


神に背いても自分の気持ちを選びました

 


私は子供たちに
この方は気を失って倒れているだけだから
お部屋へ帰りなさいと
部屋から出しました
テミンはオニュに背負わせました


あの方を誰にも知られず
始末しなければならなかった


子供たちには
施設長はいなくなったと話せばすみます


色々な方法を考えて
施設の焼却炉で燃やす事を考えましたが
この方に火を放つ事は
私にはどうしても出来そうになかった


それで、焼却炉の後ろに
穴を掘り埋めて置く事にしたのです

 


私が闇に紛れ穴を掘っていると
後ろから足音が聞こえました
あの方が生き返ったのかと
私は驚き振り向きました

 


オニュでした

 


オニュは私が人知れずしようとしている事を悟ると穴を掘るのを止めさせました


あの子は本当に賢い子でした
恐怖で動転している私に
ここに埋めても、すぐに見つかってしまうと言いました

 

 


私は、自分には到底出来ないと思っていた事をやるしかありませんでした


あの方を引きづり焼却炉の口へ
持ち上げ中へ転がり落とした…

 


ドサッと落ちたあの音が
耳から離れません

 

 

 

 


そして火を付けた…
私が火をつけた

 


一晩中、燃やし続けました
オニュはただ、私のそばに座り
じっと前を見ていました

 


私はオニュに謝りました
ごめんなさい、守れなくて、ごめんなさいと

 

 


オニュは私の顔を見て
頷いた…
あの子の顔が暗闇の中で焼却炉の激しく燃え盛る炎に照らされてくっきりと見えました

 

 


あの子は何も言わなかった
ただそばにいてくれました

 


オニュはその後、別の施設へ移されてしまい、私は、焼却炉を稼働させ続けた…

 

 

 


あの子が
辛い人生を歩んでいたとしたら
私の責任です
あの子は私が見捨てた瞬間を
決して忘れないでしょう
きっとあの子の傷になっているはずです
私はそれ以来、後悔を背負い
生き続けています

 

 

 

 

 

 

 

 


「…先生


なぜ今になってその話を聞かせたのですか?」


「…あの方のご遺族は長年
あの方を探していたのです
やがて、あの方は事件に巻き込まれたのではないかと警察に届け出ました


そして、自分の意思で行方をくらませたのではないのなら…
殺されているのなら…


法的に問える殺人の時効15年まで
あと三ヶ月なのです


ご遺族は法的に裁くよりも
自分の手で裁く事に重きを置き始めました

 


あなたは…
いえ、あなた達は追われています」