eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計〜番外編⑥

 

 

 

 

 

 

八月〜テミンの夏休み

 

 

 

 

 


学校に近づくにつれ
賑やかな声が聞こえてきた

 


昼間の熱気をそのままに
もうもうと土埃をあげながら 
グラウンドでサッカーをしている
中学生が見えた

 

 

三人は金網越しにミノを探した

 

 

 

「あ、いたいた ミノだ
青いビブスつけてるチーム

でっかいから すぐわかるよね」

 


「本当だな〜
試合してるんだな」

 


「えーどこ?ぼうがんきょう
あればなあ」

 

 

「「ボウガンキョウ?」」

 

 

「そうそう」

 

 

「ぼうがんきょうって…あった?
あれだろ、テミナが言いたいのは
ほら〜アレ!」

 

「わかるけど、ぼうがんきょうの
インパクトがでかすぎて名前が出て来なくなった!」

 

「わかった!
望遠鏡と双眼鏡がイイ感じに
コラボってるんだよ!
もう、ぼうがんきょうしか浮かんで来ねえ!」

 

「マジでぼうがんきょうがあるような 
気がしてきた!
いや、あるんじゃねえ?」

 

 

ケラケラと笑いながら
土埃の中を全力で走るミノを
目で追った

 

 


「よくこんな暑い中 走るよなあ」

 


煙のように湧き上がる土埃の中
ミノは全力で走っている

 

 

「あいつは疲れを知らないのかね」

 

 

その時、青いビブスをつけた選手が
ゴールにシュートを決めて
審判の笛が吹かれた

 

 

「ん?あれえ?
なんか変じゃない?」

 

 

「ああ〜…やっちまったな」

 


「なんだっけ、あれあれ
自分のゴールに入れちゃうやつ

あ、うんゴール?」

 

 

ジョンヒョンはじっとテミンを
見つめ言った
「………オウンゴールな」

 

 

「あ、それそれ」

 

 


ジョンヒョンとキーは 
目を見合わせ
体を震わせて笑い出した

 

 

「あははははは!
あうんゴールって!」

 


「あうんゴールって何だよ!
阿吽の呼吸かよ!」

 

「どっちでもいいのかもしんないけど
あうんゴールになると
なんか笑えるな!」

 

「いや〜テミナ最高だよ
お前といると本当に楽しいよ」

 


箸が転がっても笑う年代の
兄弟は他人が聞いても
笑えないような事でもツボに入ると
涙を流す程、よく笑った


笑いの発作が通り過ぎ
グラウンドに目をやると
部活が終わったミノが三人に気がつき
大きく手を振っていた

 

 

買ったジュースが少し温くなった頃
片付けを終えたミノが駆けてきた

 

 


「ミノ、おかえり」

 

 

 


差し出されたジュースを
ぬるいなど一言の文句も言わず  
ミノは飲み干した

 

 


「ッッうっめえぇぇーー!」

 

 

 


一番星が輝く夏の夕暮れ

 

 

 


ジョンヒョンは後ろにミノを載せ
走り出す

 

キーはテミンを前に走らせ
端っこ走れ、テミンと
声をかける

 

家へと帰る少年達を
ヒグラシの声が後押ししていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


続く