しゃいに兄弟の砂時計 30
七月~向暑
傘がない、という彼女に
家の方角を聞くと同じ方角だったため
ジョンヒョンは傘を貸すからと言い
家に誘った
「ただいま!」
「お~、おかえり
雨、大丈夫だったか?」
オニュが、のっそり顔を出した
「お客さん?」
「駅で傘が無くて困っていたので
貸してあげようと思って」
ジョンヒョンの背後から
姿を現した女は真っ黄色だった
ゆっくりと振り向いた女を見て
オニュの体にザッと鳥肌が立った
「大分、濡れちゃいましたね
タオル持って来ますから
待ってて下さいね」
ジョンヒョンが家に入って行った
「オニュ」
オニュにしつこく付きまとい
ストーカーとなりつつあった女が
自宅の玄関で微笑んでいた