eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 9

 

 

 

 

 

 

オニュの父を見送り慌ただしく
一年が終わりを告げ
新しい一年が始まっていた

 

オニュの引越しは1ヶ月後と決まり
少しずつ荷物の整理を始め
諸々の手続きがありそれなりに忙しかった


一人きりの家でオニュは寝起きをし
夜はテミンの家で夕食に呼ばれた

「オニュ君、今日もオニュ君の好きな唐揚げ
たくさん作ってあるからね!
いっぱい食べて行きなさいよ!」

テミンのお母さんがニコニコして
スープをよそってくれた

「ありがとうございます、おばさん」

「…オニュヒョンには甘いんだから~
母さん僕も唐揚げ好きなんだよ!」

「そんなこた、とっくに知ってます!
あんたも、負けずに食べなさい!」

「なんか、違う
なんか僕の求めるものと違う」

「テミンちゃん、唐揚げでちゅよ
よ~~く、噛んで食べなちゃいねえ」

「そうじゃない!
なんでそういう路線に行くの!」

賑やかな会話に囲まれオニュは
ニコニコして唐揚げを摘んだ

不意にアオがお弁当に作ってくれた唐揚げを思い出し
箸が止まった

オニュ君?と呼びかけられ
慌てて唐揚げをぱくつき美味しいですと笑った

食後にテミンの部屋に上がり
昔のアルバムを見ていた

テミンとオニュが写っている写真には
ほとんどアオが一緒にいた

指で写真をなぞるオニュを見て

「オニュヒョン
アオちゃんと会ってないの?」
テミンが聞いて来た

「ん?一週間くらいな」

「ヒョン
ヒョンは昨日に戻れる?」

「え?」

「戻れないでしょ
僕も戻れない
誰も戻れないんだ

あの時こうしておけばって思っても
2度とその時に戻ってやり直す事は出来ない

今ってすごく大事な時間なんだ

僕はそう思う」

テミンの凝縮された思いが胸に響いた


「テミン、俺行かなきゃ」

「全く世話がやけるヒョンだよ」

ありがとうと髪を撫で
おばさんに挨拶をしテミンの家を出た

自分の家を通り過ぎようとしたその時
「オニュ」
アオの声がした