待ち合わせ 16
他人に性を売って稼いだ金も
異常な物価の高さであっという間に消えていった
街には浮浪者が溢れかえり
力無く歩道に座り込む浮浪者を見て
自分とテミンもいつそうなっても
おかしくはないと焦燥感が募った
「オニュヒョン
オニュヒョンってば」
疲れていた
落としきれない汚れにまとわりつかれているようで気持ちが悪かった
決してテミンには言えない方法で
暮らしている事が心を蝕みはじめ
オニュは笑えなくなっていた
「オニュヒョン 最近疲れてるみたいだね
ねえ、僕も働きたい
オニュヒョンの仕事場に連れて行ってよ」
「……だめだ」
「どうして?
僕だってもう働ける
掃除だって、皿洗いだって出来るから
手伝わせてよ」
「だめだ」
「オニュヒョンの笑った顔
最近見てないよ
疲れてるんでしょ
肩 揉んであげるね!!」
暖かな手が肩に触れぎゅっぎゅっともみ始めた
「ヒョン、僕ダンスが得意でしょ
だから、それで稼げないかなあって思ったの
ヒョンの働いてる所に
小さなステージあるんだよね?
そこで、ダンス」
「だめだ!!!」
頭が割れるようだった
「……テミン
子供が来れる所じゃないんだ
絶対に来ちゃいけない
いいな」
「…テミン…
ごめん、疲れてるんだ
この話はおしまいだ」
テミンの顔も見ず
横になるオニュの背中からは
テミンを拒絶する雰囲気が放たれていた