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しゃいに兄弟の砂時計〜番外編キーとテミン

 

番外編〜キーとテミン

 

 

 

 


「ただいま!」

 

八百屋のアルバイトから帰宅した
キーは休む間もなく
動き出す


貰い物の野菜を仕舞うと
庭に干した洗濯物を取り込む

 

五人分の洗濯物はかなりの量で
夕方の空気に晒され
ひんやり冷たくなっていた

縁側にぽんぽんと投げ
山と積むとサンダルを
脱ぎ部屋へ上がる

パタパタと走り
風呂場を覗くと
使ったままで掃除をした痕跡がない


勢い良くシャワーを流し
ゴシゴシと浴室を洗い窓を開け放つ


「よし!」


台所に行くと、皿が山積みだった


キリキリとストレスを感じたキーは
スマホでお気に入りの曲を流し
気分を変えた

数曲を聞きながら
手早く洗う

油切りや泡切りの段取りを
考えながらの食器洗いは手馴れたものだった

水切りカゴに食器がどんどん
積まれていく

家事は家族で分担だったが
気が付くキーが動いてしまう事が
多く
年に数回、キーが爆発しては
分担について話し合うという光景が
繰り返されていた

 

「よし!」 


縁側に積んだ洗濯物は放置した
後でみんなでやればいい


米を研いでいるとテミンが帰ってきた

 

「ただいま〜」


「はい、おかえり」


「あ〜お腹空いた
ご飯なに〜」


「あるものだよ、あるもの」


「あ!そうだ!
ね〜キーヒョン、昨日の朝ご飯と
夜ご飯何だっけ」


「昨日?なんでよ」


「宿題でさ、食べた物を書くの」


「は?マジかよ、マジかよ!」


昨日の朝と夜の食事は
相当酷かった

誰も料理に時間を割けず
しかも、給料日前で節約しようと
何日も買い物にいかなかったため
食卓はかなりさみしかった


「ね〜昨日、あれ、なに
天ぷら?」

 

 

家中にある野菜をかき集めたら
じゃがいもと玉ねぎが数個見つかった

冷凍してあった鶏胸肉も一枚あったので
五人の男の胃袋を満たすため
全てを
細切れにして、溶いた小麦粉に合わせて
油で揚げたのだった


「そ、そうね、かき揚げだな」


「野菜はとったかってあるんだけど」


「野菜、とったよ

かき揚げにじゃがいもと玉ねぎ、ね?

味噌汁に白菜あったじゃん、あと
小ネギとワカメ」


「あれ、白菜なんだ
ってか、サラダの事だと思うんだけど...

まあ、いっか

これだけ?」


「まあ...そう、だな」


「朝は〜俺、何食べたっけ」


「お前、寝坊したからみかんしか
食ってないだろ」


「そっか、みかん、と...」


「おい!みかんはないだろ!」


「え?なんで」


「だめだ!みかんは、いかん!
せめて、海苔巻きと書け」


「え〜、なんでさ!みかんなのに?」


「いいから!」


キーがテミンのプリントを覗くと

じゃがいも
玉ねぎ

と書いてあった

かき揚げの事らしかったが
粉は必要なのか?と
心で突っ込み笑いを押し隠した


「ね〜米は何で必要か、だって」


「知らねえよ!満腹になるからだろ!」


「なるほど〜...

味噌汁は何で必要かは?」


「知らねえよ!
飲みたいからだろ!」


「飲みたいから、と...」

 

「いや!そのまま書くなって!
今考えるから

味噌汁は暖かく喉を潤す!
これでいけ!」


「味噌汁は、、、

え、何だっけ?」


「もう!何なんだよ、この宿題はあ〜」

 

昨夜のかき揚げよりも
格落ちのインスタントラーメンの
食事の準備に追われながら
キーはテミンの宿題に付き合っていた

 

 

おしまい