eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Rainy Blue 21

 

 

 

 

 

「アオ、お家には連絡してきたんだよね?」

 

 

「…うん」

 

 

「そっか、、」

オニュはこれからどうしたものか考えていた

 

 

「オニュ、映画館がある!
まだ、やってるかな?行こう!」

アオに引っ張られ走り出した

 

 


深夜帯の上映が始まったばかりだった

途中でも構わないとアオがチケットを購入し
中へ入った

 

暗がりの中
ポツポツと埋まる座席を見渡し
最後列の真ん中に2人は座った

 

昔流行った映画の再上映らしく
名作という噂は聞いた事はあるが
見た事はなかった


暗がりの中スクリーンの光に照らされ
アオの瞳が見えていた
すぐ隣にアオがいる事が嬉しくそっと
手を伸ばしアオの手に触れた

 

こちらを見つめるアオに
引き寄せられるように顔を近づけたが
アオにはそれを拒絶する空気が
漂っていた

 

 

オニュは座席にそっと体を戻し
何かあったのだ
アオに何かあったのだ
と、直感していた

 

 

全く頭に入らない映画が終わり
これからどうするか決めなければならなかった

 

 

叔父のいる家には連れて帰れない
しかし、電車も動いていない
24時間営業の飲食店で
ゆっくり話を聞こうかと考えていたオニュの思考を
アオの言葉が破った

「オニュ、ホテル、行きたい」

 

 

「…え?」

 

 

「ホテル
あっちに見えてる」

 

 

「アオ?どうしたの?」

 

 

「オニュは、行きたくない?
もう、私はいらない?
さっきの人、綺麗だったもんね」

 

 

 

「ちょ、ちょちょ

待って」

突然、思ってもみなかった事を
立て続けに言われ
オニュは思考を組み立て直した

 

 

「えっと…
まずアオの事だけど
アオがいらないなんてあるわけない
アオは俺の特別だ
言ったよな?

それから…
さっきの先輩の事なら本当にごめん
断ったのに勝手に付いて来たんだ

綺麗だと思った事はないし
あの人はなんの関係もない」

 

 

「…ごめんね、オニュ
私…」

 

 

「アオ、とにかく落ち着いて
話せる所へ行こう

ホテルに行きたいなら行くよ
俺だって行きたいもん」

 

オニュはアオの手を取り歩き出した