eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

2018-11-18から1日間の記事一覧

待ち合わせ 13

明け方に部屋に戻ったオニュはテミンの寝顔を見つめ柔らかな髪をなで布団に潜り込んだ 寝返りをうつテミンを引き寄せぎゅうっと抱きしめた 「ヒョン……おかえり…」 目が開ききらずもごもご言うテミンが可愛くてじっと見つめていた 「…その顔 大好き オニュヒ…

待ち合わせ 12

オニュはぼんやり座り続けていた 「おい」 ビクッと背中を強張らせ立ち上がったオニュは 「働く場所を探していますお願いです、歌わせて下さい」 深く深くお辞儀をしてお願いした歌なんかに金が払えるかとつまみ出されるだろうと思っていた 「顔、見せてみな…

待ち合わせ 11

かつて所有していた立派なグランドピアノとは比べ物にならない古びたアップライトピアノだった 吸い寄せられるようにピアノに近づき蓋を開けようと手を伸ばした 「おい」 その声で、自分がどこにいるか思い出し声の主に向き合った 「歌わせてください!!」 …

待ち合わせ 10

オニュはスポンジのように萎えて力の入らない足を引きずり移動した 目に焼き付いてしまった汚らわしい光景を消し去ろうと努力した オニュにとってセックスは愛する人と気持ちを交歓する事が前提であり性を売り物にした善悪のない腐敗した行為を見てしまった…

待ち合わせ 9

ベタつくドアノブに鳥肌がたった 外の闇と変わらないのではないかと思える暗い店内何年も換気をしていないような獣臭にオニュは吐きそうになった人の気配は確かにあるのに話し声が聞こえない 閉まりきらない蛇口から水滴が落ちているようなピチャッ ピチャッ…

待ち合わせ 8

オニュは崩れかけている自分の心を冷静に見つめていた 初めて、ヒョンと呼ばれた時の事を思い出す ダンスをしている時のテミンを思い出す人恋しくて気が狂いそうになる夜に規則正しく聞こえる寝息を思い出す 初めてオニュからもらったポシェットを破いてしま…

待ち合わせ 7

街を彷徨った自分が用無しであることを突きつけられる事は辛い事だった 歩き疲れて駅前の花壇の縁に座り込んだオニュは絶望していた 仕事を見つけなければ明日一日で、米が尽きてしまう いつもは押さえつけている自分の中の獣が動きだすのをオニュは静かに感…