eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

メビウス7 逡巡

 

 

 

 

 

 

 

あの時のジンギは本当に優しかった
愛されているような気持ちになった

 


ナツは乱れきった自分を思い出し
下半身が熱く反応するのを感じたが
顔に出さないように
全神経を張り詰めた

私の尋常でない様子を見て
嫌になったんだろうか

あの時からジンギは姿を消した

 

キーは依頼人が思い出に耽っているのを感じ
全て話していないだろうと思っていた


立ち上がって
お気に入りの
ミッキーマウスの模様のついた
魚の水槽に近寄り女が話すのを待っていた

 


「…あの、調べていただけますか?」

 

「できるかどうか
ちょっと周辺を探ってみたいと思います
お返事はそれからでもよろしいでしょうか」

目を見ながら落ち着いた笑顔で話しかけた

 

キーはナツから聞き出せる事を聞き出し
ナツに会いに来たという女を探す事から
始めると決めた

 

依頼人が帰りソファに寝そべっていると
ドアをガンガン叩く音がして
起こされた

「どちら様ですか?」

「俺!わかるでしょ」

「インタフォン使って顔を確認させて下さい」

「もう!声でわかるでしょ?」

そういいながらもインタフォンのブザーを鳴らしてカメラを覗き込んだ


鍵を開錠し扉を開けると細身の男が立っていた

「ねえ!いい加減俺にも鍵ちょうだいよ」

「ダメだ、危険は増やさないに限る」

「何言ってんの
キーヒョンの用心深さは異常だよ?
スナイパーにでも狙われてんの?」

「黙れ、テミン
生意気言うと二度と服を貸さないぞ
この事務所は絶対に誰かが浸入してきた事がある!
俺にはわかるんだ
用心に越した事はない

っておい!
お前ー!今日は全身上から下まで
俺の服じゃないかよー」

「いいじゃん、毎日着替えても
着れないくらい服があるんだからさー
ねーヒョン?

今日の俺のコーディネートどうかな?」


「まったくぅ

まあ…そうね
帽子はコッチにしてコートはこっちにしたら
もっといいんじゃない?」

「おお!さすがキー様だね
決まるねえ~~!」

「でっしょーー」

 

2人はパーテーションで仕切られた
キーの衣装部屋で騒いでいた
キーは家に入りきらない洋服を
事務所にも置いていた

壁一面にコートや帽子、バッグや靴が置かれていた

「あれ?お客様来てたの?
依頼人?」

「ああ、うん、とにかく
飯食いに行こーぜ
そこで詳しく話すからさ」

「おっけー!
では、ヒョンコーディネートで
出発しますかあーー!」

 


キーは鍵を二重にかけ
いつものようにドアと壁の間に
自分の髪の毛を貼り付けた

それは、目線から外れた上部にあり
普通セットした人間にしかわからないものだった

「ねえ、キーヒョン
それ、意味あんの~?」

「テミン、これは目印だ
この髪の毛が無くなっていたら
誰かがこのドアを開けたという証拠だ」

「今までそんな事なかったじゃん
キーヒョンの髪の毛、無くなっちゃうよ?」

「…次はお前の髪を貼り付けてやる」

「えええ~絶対やだからね~」

 


2人は外の眩しい光の中へ
歩き出した