eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

メビウス 4 ナツ

 

 

 

 

ナツはジンギをアパートに連れ帰った
駐車場には雑草が手付かずに繁り
色あせた自転車や三輪車が駐輪場から
はみ出ている
ごく質素な二階建てアパートだった


鍵を回し扉を開けてジンギを中に入れた


ジンギが後ろ手で部屋の鍵をカチャリと
かけた音がした


自分の領域であるはずの部屋で
閉じ込められたような気持ちになり胸が激しくざわめいた

靴を脱いで部屋にあがったジンギは
台所と一部屋しかない部屋を立ち尽くして眺めていた

自分の部屋に男がいる事が
見慣れず
朝、置いたままにしてきた
新聞やカップを手早く片付けた


ジンギが部屋の全てを占領してしまったかのような圧迫感をナツに与え部屋が
ひどく狭く思えた

ジンギを座らせると改めて
顔の傷を照明の下で消毒した

傷を丁寧に消毒するナツの手首を掴み
ジンギがナツの目を見た

黙って見つめてくるジンギの視線に耐え切れず消毒薬を片付けようと
立ち上がりかけたが
ジンギに強く引き寄せられ胸に倒れ込んだ

「…ナツ」


名前を呼ばれて見上げると
いつもは無表情なジンギが
優しい顔をしている事に気付き目を瞠った

 


「…ナツを見てると欲しくなる」


優しく瞼ににキスを落とされ
ナツは目を閉じた

 

 

ジンギの手がナツの髪を撫で
頬を包み近々と顔を寄せてきた

体を確かめるように強く抱きしめられ
ジンギに体重をかけられて
押し倒された

この人は誰なんだろう
謎に思った

しかし


ジンギなら いい


そう思っていた