eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 28

 

 

 

 

 

 

 

七月~向暑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


スヨン

 

 

 


ビクっと
体を強張らせた子供を見て
ジョンヒョンはこれから
自分が言わねばならない事を考えて
顔を歪ませた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ジョンヒョン君、君のやり方は
当方と噛み合っていない」

 


塾の事務所でジョンヒョンは塾長に
諭されていた

 

 


「ここは個人の家庭塾ではないんだ
厳しい規律が信条の
進学塾なんだ
何度、言えばわかってくれるのかな?」

 


穏やかな口調ながら
厳しく見つめる瞳に優しさはなく
言う通りに職務をこなさない
ジョンヒョンへの怒りが感じられた

 

 


「君が方針を守っていないと
報告を受けるのは何度目かな


こちらのやり方を
守ってもらわないと
子供が混乱するんだよ」

 

 


足元を見続けるジョンヒョンに
「自分だけ好かれて嬉しいか?」

 


顔を上げた先には
冷たい侮蔑の眼差しがあった
「周りが悪者
君は正義のヒーロー」

 

 

 

 

 


「君はなぜ、ここにいる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


成績の良い者は生徒みんなの前で
褒め称えバッジを与える

 

 


成績が悪かった者は
全員の前に呼び出され
点数を公開し、何が悪かったのか
本人に語らせる


悔しさをバネにして
未知の力を引き出す


そう説明があったが
毎月行われるこの時間は
公開処刑そのもので
ジョンヒョンには
どうしても出来なかった

 


優秀者にバッジを渡し
最下位だった者を
晒す事はしなかったため
保護者や同僚からクレームが
度々入っていた

 

 

 

 

 


スヨン、先週のプリントを返す
取りに来なさい


他の者は
カリキュラムを進めて」

 


子供たちはざわざわとざわめき
馬鹿にしたような顔で
ジョンヒョンを見てくる者もいたが
それを無視した

 

 


塾長とのやりとりを思い返し
暗い気持ちになったが
近寄るスヨンを見て
これでいい、
ジョンヒョンはそう思えた