待ち合わせ 15
男は死ななかった
無秩序な闇世界の店では法で縛られる事もなく
オーナーからの激しい暴行だけで済んだ
だが、客に暴行し血潮を撒き散らし
店の備品を破壊したオニュが
そのままそこで働く事は許されなかった
腹を蹴り上げられ苦い胃液を吐きながら
オニュは土下座をして頼んだ
「……お願い、します
働かせて、下さい…」
「働く…?
お前は客を半殺しにしたんだぞ
半年も置いてやったのに
馬鹿な野郎だ
失せな」
「待って…待って下さい
働かなきゃならないんです
何でもします
お願いします!」
そして売られたのだ
そうだ…
俺は
この道を選んだのだ
暗闇が支配する部屋で
ポールにしがみつく女を背後から
ゆっくり貫きながら
ぼんやりと思っていた