eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

Odd eye 5

 

 

 

 

 

 

夏が来た

 

 


手入れのされない屋敷は雑草に
囲われ廃屋のようだった

 

 

 


暖炉に向かい座るチャンミン
耳を塞いだ


雷鳴が、微かに聞こえ
嵐を予感させる張り詰めた空気が
漂っていた

 

 

 


温かな手を感じたチャンミン
顔を上げた

 

 


チャンミン

 

 

 

 

 


ユノ、と口にしたつもりが
声が出なかった

 

 

 

 

 


記憶していたよりも歳を取っていたが
ユノの瞳が自分を見ていた

 


「遅くなって
ごめんな」


「…な、に」

 

 

 

 


掠れた声が聞こえ
久しぶりに発する自身の声だと
気がついた

 

 

 


「何しに」

 


「会いに来た」

 

 

 

 


この瞬間、20年の時を経て
婚礼式で小部屋に押し込めた
ユノとの時間が引き寄せられ
さらに遡り
夏の嵐の夜、初めて体と魂を
分かち合ったあの時間も
まるで今あった事のように 
チャンミンの脳裏に蘇った

 

 

 


そして、自身の婚礼式でみた
ユノが妻と子供に向けた笑顔も

 

 

 

 

 

 

 

 


獣じみた咆哮を上げ
ユノに飛びかかった