eggonewのブログ

SHINeeオニュ的な

しゃいに兄弟の砂時計 24

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六月~入梅

 

 

 

 

 

 

 

 

 


テミンは悩んでいた

 

 

 


八百屋でのバイト、エアロビ講師、ダンス教室とキーから全て
引き継いだが
上手くこなせている、とは
自分でさえも言えなかった

 


キーの身内だから
自分を切る事が出来ないのではないか、
最近のテミンは被害妄想的に
なっていた

 

 

 

 

 


「いらっしゃいませ!」

 

 

 

 


店頭の野菜を一つ一つ手で触り
じっくり見るくせに
買わずに戻す客が現れた


散々、いじくり回した後で
ゴボウをテミンに差し出した

 


「…160円です」


お釣りと共に商品を渡すと
突然客が怒り始めた

 

 

 

 


「あんた!
さっきからじろじろ見て感じ悪いったら!
ありがとうございますの一言もないの?


こんな店、もう来ないからね!」

 

 

 

 

 


ゴボウをひったくり
テミンを睨みつけ立ち去っていった

 

 

 


他人から怒鳴りつけられるという
初めての体験にテミンの心は
傷ついた

 


今までは、手強そうな相手には
キーが応対していたし
地元の幼い頃から見知っている
近所の人々に見守られながら
テミンは働いていたのだ

 


大将が声はかけずとも
このやりとりを見ており

 


「テミン!
今のは勉強させてもらったと
思え


世の中、色んな人間で出来てるもんだ
次に活かせばそれでいい」

 

 


そう言ってくれたが
大将の心遣いを深く考える
余裕はなかった

 

 

 

 

 


エアロビ教室も、段々と
人数が減ってきているのが
ジワジワとテミンを打ちのめした

 

 


ダンス教室では
すぐに集中力の途切れる子供たちを
コントロール出来ず
距離感がつかめないまま
時間が過ぎてしまい
見学の保護者の視線が痛かった

 

 

 

 

 

 

 


何もかもが思うようにいかない、
テミンはそう思い
焦り不満が溜まっていた